「中国は最大の留学生輩出国」との報告

2024/03/8 12:30

中国のシンクタンク「中国・グローバル化センター」(CCG)が作成した「中国留学発展報告白書(2023~2024)」によると、中国では国際的な人材を育てる上で留学がやはり大切な手段であるという。世界的に留学者が増え続けている中、最も多いのは中国人留学生であり、海外留学は確実に回復している。

白書によると、様々な課題も存在する中、世界的に留学者が増える傾向にある。中でも中国は引き続き留学者数最多を維持しており、2022/23年度の主な留学先はアメリカ、イギリス、オーストラリア、日本、ドイツ、ニュージーランド、韓国、マレーシアなどである。

また白書では、中国人の留学先が多様化しており、これまで多かったイギリスやアメリカのほか、アジア各国や「一帯一路」の沿線国への留学が増えていることが新たな傾向だと指摘している。また、2020年には留学先から帰国する人の数が初めて出国留学者数を上回った。2021年には帰国者が100万人以上となり、こうした傾向が見えている。

留学者の就職先について、中国では「科学、技術、工学、数学」(STEM)に流れる傾向が強まり、これまで人気だったビジネス関連が下火になっている。2022/23年度、アメリカ留学者では就職先にSTEMを選んだ割合が62.5%で、他国の学生より高くなっている。一方でビジネス関連への就職者は年々減り続け、職業選択に変化が現れている。

白書ではまた、留学経験はハイレベルな人材を育成する上で大切だと強調している。2023年の中国のアカデミー新規会員のうち、留学経験者の割合は、中国科学院が81.4%、中国工程院が39.2%となっている。2023年現在の留学経験者の割合について、国家重点事業の学科リーダーでは70%以上、国家科学技術賞事業の初回達成者では40%、中国教育省直属の大学の総長や大部分の大手病院の院長では70%以上となっている。

(中国経済新聞)