香港政府、新年度に2.29兆香港ドルの債券を発行

2024/03/4 11:30

香港政府の陳茂波(Paul Chan)財政長官は2月28日、2024/2025財政年度に1200億香港ドル(約2.29兆円)の債券を発行すると発表した。

これは、この日の立法会で2024~2025年度の予算案を発表し、債券市場について触れた際に述べたものである。陳長官は、「1200億香港ドル(約2.29兆円)の債券のうち700億元(約1.34兆円)が一般消費用であり、内訳は500億元(約9566億円)が『銀色債券』(満65歳で購入可能となるもの)で、200億元(約3826億円)がグリーン債券およびインフラ債券である。金融緩和を進めていくほか、市民におけるインフラ建設やSDGs 事業への『参加度合』を伸ばしていく」と述べている。

香港の債券発行数について陳長官は、「国際債券の発行数はアジアでは7年連続トップ」と述べた。2023年の予算案で、「政府グリーン債券計画」の対象範囲をSDGs の金融案件にまで拡大した上、市民経済に関わる事業の早期完成を目指し、インフラ事業への融資として「インフラ債券計画」を発足させるように提案している。香港政府はこれら2つの計画について、借款を5000億元(約9.566兆円)以内に抑え、資金調達額を柔軟に増額する形で集めた資金を基本プロジェクトの準備金に計上し、長期的な事業に投資していくという。これら2つの計画は、現在の「政府債券計画」から徐々に置き換えていくということである。

陳長官はまた、自身が率いる「大規模発展事業融資委員会」が、北部都会区の適切かつ段階的な成長のあり方を審査しているとも述べた。北部都会区およびその他のインフラ事業実施に向け、向こう5年間は毎年約950億~1350億元(約1.82兆~2.58兆円)の債券を発行するという。また交椅洲の人工島建設について、「引き続き検討しており、実行スケジュールは公共事業の予算などを念頭に入れて決める」としている。

陳長官は、「債券発行で得た資金は政府の経常支出には使わないと」強調した。引き続き財政規律を厳守し、債務を安定レベルで維持し、2024/2025年度~2028/2029年度はGDPの約9%~約13%に抑えていくとのことである。

(中国経済新聞)