経営困難の高合汽車、創業者が社員に謝罪 「立ち直りへ残された時間は3か月」

2024/02/28 17:30

中国で、操業停止の危機に陥っているハイエンドEVメーカーの「高合汽車」は、創業者の丁磊氏が2月22日に上海の本社で行われた社内会議で、社員に謝罪した上、現在の課題や今後の方針について話し合った。丁氏は、インターネット時代における競争で従来の経営方策が通用しなくなったことを認め、今後3か月間が試練の時期となると語った。

経営悪化した理由の一つは長引く販売不振である。高合汽車は2017年に設立してから33.9万元~80万元(約709万円~1673万円)で3タイプの車を売り出したが、販売台数は2019年が4237台、2020年が4349台と低迷している。2023年はさらに安いタイプのHiPhi Yを発売したことで8681台まで伸ばしたが、経営を維持できる数量には至っていない。

高合汽車はこうした中、2月19日から経営改革を始め、様々な救済措置を講じ、サービスや販売後の整備点検を最優先に取り組むと発表した。また一方、運営面の資金や問題に対応するために他社の融資や買収の機会も探っているという。

新エネ車業界は急成長しているが、その背後で激しい競争や絶え間ない業界再編が起きている。2014年から多くの新興メーカーが財力をバックに急成長を果たしたが、競争が激化するにつれて経営困難に陥り、破綻する事例も多くなった。新興メーカーのうち15社が破綻または経営困難を発表している。これら15社は年間で計1000万台以上を生産する予定であり、投資予定額は6000億元(約12.54兆円)以上で、すでに380万台近い稼働体制を敷いている。 丁氏は、「ピンチに見舞われているが、社会の関心も寄せられており、複数の会社が興味を示してくれている」と述べた。新興メーカー「理想汽車」のCEOである李想氏は以前、「中国は企業の倒産による社会的損失を抑えるため、自動車会社の合併や買収の仕組みを整えるべきだ」と述べている。李氏は、「経営判断のミスで買収で損をしても、倒産での損失よりはずっと少ない。アメリカの自動車界も、これまで多くのメーカーによる激しい競争や合併を経験してきている」と指摘している。このような声に、現在の新エネ車の競争や今後の取り組み内容に対する業界の考え方が示されている。

(中国経済新聞)