稲花香の創業者が死去 ゼロから起業で売上1.20兆円を達成

2023/12/28 14:30

2023年12月25日、湖北省の有名酒造会社「稲花香」の創業者である蔡宏柱氏が24日に病気のため死去したと発表された。同社のホームページはモノクロに変わり、中国酒業流通協会も今日の午後に追悼メッセージを発表した。

蔡氏はゼロから起業した代表的人物の1人であり、稲花香を湖北省で名の知れた酒造会社に育てた。会社は2018年に蔡氏の息子である蔡開雲氏が会長に就任し、トップ交代を果たしている。

蔡氏は1951年生まれで、若いころは小学校の教員や養蜂業を務めたほか、地元農機具会社の販売部門で会計係を務め、人一倍の商売スキルを発揮していた。

1982年、31歳の時に改革開放の波に乗り、3人で酒樽3台を抱え、1500元(約3万円)の融資を得て村で初めての醤油会社を立ち上げた。会社は順調に伸び、蔡氏も村の「長者」になった。

1986年、蔡氏は地元政府の後押しを受けて焼酎造りを始め、1992年に「稲花香」の銘柄を打ち立てた。

蔡氏は当時、有名工場と有名職人を求め、ブランドを築き、スタート・品質・効率を引き上げるとの方針を打ち立て、焼酎はたちまちにしてヒット商品となった。

とりわけ業界内で競争が展開された2004年、蔡氏は果敢なマーケットアイデアを実行し、マーケティングの中心を末端に振り向けてメーカー、代理店、販売店の利益を三位一体とする「金網プロジェクト」を提唱した。これにより稲花香は一段と成長し、「毎年工場を1か所建設、1工場分の投資を回収」などとも言われた上、関公坊酒業など地元の業者を相次ぎ買収し規模を拡大していった。

2011年、稲花香は蔡氏の長年の努力を経て売上高が100億(約2000億円)を超え、勁酒、白雲辺と並ぶ湖北省の3大酒造会社になった。

稲花香は「第12次5か年計画」の時期に構造改革を進め、焼酎を主軸に物流、包装、観光産業も手掛ける総合企業になった。最近発表されたランキング「2023中国民間企業500強」では、売上高605.2億元(約1.20兆円)で180位となっている。

(中国経済新聞)