中国国家企業信用情報公示システムによると、杭州馬家厨房食品有限公司が11月22日に設立された。法定代表者はPAU JASON JOHN、資本金は1000万元(約2億円)、業務範囲は食品販売(包装済み食品の販売のみ)、商品の輸出入、食品・農産物と日用品の卸売、ホテル管理、技術サービスなどとされる。
持ち株比率を見ると、アリババ創業者のジャック・マー(馬雲)氏が99.9%を所有する杭州大井頭弐拾弐号文化芸術有限公司が100%出資している。
ここ数年、ジャック・マー氏は農産物、水産物、食品分野に強い関心を持っており、今回の調理済み食品業界への進出は何も新しいことではない。
2022年7月2日、マー氏はオランダのワーゲニンゲン大学を訪れ、畜産と漁業の新技術について討論。ゴビ砂漠での作物栽培を含む農業に時間とエネルギーを捧げるとも述べた。
今年5月、東京大学はマー氏を東京学院(Tokyo College)の客員教授として採用したと発表。同大学によると、マー氏は主要な研究テーマについて助言と支援を行い、特に持続可能な農業と食料生産の分野で東京大学の研究者と共同研究を行う予定だという。2022年後半の日本滞在中、マー氏は近畿大学水産養殖研究所の大島ステーションを訪れ、日本の水産養殖技術を視察している。
今年7月、マー氏は水産養殖などの分野に参入するため海洋技術会社の設立に投資。公開情報によると、7月20日、一米八海洋技術(浙江)有限公司が設立され、資本金は1億1,000万元(約23億円)、法定代表者は鄧中華(ドン・ジョンファ)氏で、事業内容には養殖業が含まれている。洋上風力発電関連システムの研究開発、バイオマスエネルギー技術サービス等は、1.8 Meters Technology Holding Limited、杭州大井頭弐拾弐号文化芸術有限公司などが共同で保有する。
2023年に最も注目された内の1つである、「クリーン野菜、セントラルキッチン、その他の産業の標準化と標準化レベルを向上させ、調理済み野菜業界の発展を促進する」ことが、「三農(農業・農村・農民)」をめぐる活動を指導する2023年の中央1号文書に記載された。
データによると、2021年、米国と日本における調理済み食品の普及率は60%以上に達しているが、中国は13%程度に過ぎず、発展の余地が大きい。2022年、中国の調理済み食品の市場規模は4000億元(約8兆3600億円)を超え、今後の市場規模は約1.5%の成長率を維持すると予想される。