米モデルナのバンセルCEOが4ヶ月ぶり2度目の訪中

2023/11/6 11:30

米mRNAワクチン・メーカー、モデルナのステファン・バンセルCEOが11月5日、上海で開催された第6回中国国際輸入博覧会 2023(The 6th China International Import Expo)のオープニング・セレモニーに登場した。バンセルCEOの上海訪問は4ヶ月ぶり2回目。

今年7月5日、モデルナは正式に上海に現地法人を設立し、閔行(ミンハン)にワクチン製造のための工場を投資する予定であることを発表。中国の経済情報誌大手の第一財経によると、バンセルCEOの上海訪問中に、モデルナの上海生産拠点の起工式が行われるとされている。

モデルナは今年5月、資本金1億ドル(約149億円)で中国法人「モデルナ(中国)生物科技有限公司」を設立。同社は、できるだけ多くのワクチン製品を安全な方法で中国市場に投入したいと考えている。

バンセルCEOは、先月開催された上海生物医薬産業ウィークでのビデオ・プレゼンテーションで「mRNAは、感染症、癌、希少遺伝病、慢性疾患の治療など、疾病予防と治療のパラダイムを変えることが期待されている将来性のあるバイオテクノロジー・プラットフォームです」と語った。

モデルナは11月2日、第3四半期決算を発表。同社の売上高は、新型コロナウイルスワクチンの需要が激減したことで、全盛期の半分となる18億ドル(約2692億円)に減少、36億ドル(約5384億円)の赤字となった。

今のところ中国でモデルナが、どのワクチンを製造するのかはわかっていない。しかし、同社が新型コロナウイルス等によって呼吸器疾患のデータを多く蓄積していることから、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンやインフルエンザワクチン等を中国で製造する可能性が高いと予想されている。

新型コロナウイルスワクチンの需要が激減する中、ワクチン・メーカー大手のモデルナが中国で、どのような製造・販売戦略を展開するのか注目が集まっている。

(中国経済新聞)