蔚来、「新たに4400億ドルを融資」を否定

2023/09/27 11:30

9月25日、赤字が増え続けている中国のEVメーカー「蔚来」(NIO)が来年前半に、投資家に30億ドル(約4464億円)を融資する方向で協議を続けている、との報道があった。これを受けて蔚来はアメリカで株価を落とし、始値が5.28%値下がりして8.08ドル/株(約1202円/株)となった。

蔚来はこの情報を否定した。また株価が下がっている理由について、あるヘッジファンド会社のマネージャーは「キャッシュフローが逼迫しているとの見方が強い」と述べている。

蔚来は、同じ時期に上場した同じく新勢力の理想汽車や小鵬汽車などより支出の増加が急激であり、決算データを見ると上半期は引き続き赤字で、前年同期より139.07%多い109.26億元(約2224億円)を計上した。また、2023年6月30日現在の現金および現金同等物は137.23億元(約2794億円)で、2022年12月30日の198.87億元から61.6億元(約1254億円)減っている。

蔚来は研究開発費や営業費用が高止まりしており、今年上半期は研究開発費が前年比64.15%増の64.2億元(約1307億円)、営業費用は同23.39%増の53.03億元(約1080億円)となっている。この2つを合計すると117.23億元(約2386億円)で、赤字額である107.95億元(約2197億円)を上回っている。

また蔚来は、1年以内に必要となる現金費目(資本承諾、経営および融資リース負担分、銀行の短期・長期借入金、転換社債、資産担保証券、債券など)が計197.08億元(約4012億円)にのぼる。

このように逼迫した状態にある蔚来だが、引き続き携帯電話や電池など新規事業に多額の投資をしている。先ごろ行われた社内の技術関連イベントで、CEOの李斌氏は、イヤホンやスマートウォッチを手掛ける予定と述べた。現在、四半期単位で研究開発費用が売上高の20%を占めているが、会社として許容範囲内とのことである。

(中国経済新聞)