エヌビディアCEO、「米ハイテク業は中国とのチップ戦争で莫大な損害を被る」

2023/05/26 16:15

アメリカの半導体メーカーNVIDIA「エヌビディア」のCEOであるジェンスン・フアン氏は現地時間5月24日、「フィナンシャルタイムズ」の取材に対し、「中国とのチップ戦争はアメリカのハイテク業に『莫大な損害』をもたらす」と述べた。バイデン政権による半導体関連の中国への輸出規制で同社は動きがとれなくなり、巨大市場である中国での販売が不能になると見ている。

フアン氏は、輸出規制に踏み切ると中国企業が自社でチップを製造するようになり、エヌビディアのゲームやグラフィックス、AIプロセッサーと競合すると見ている。「仮に(中国が)……アメリカ(から仕入れ)ができなくなれば、自分で造るしかない」とし、「よってアメリカは慎重になるべきだ。中国はハイテク業界で非常に重要な市場だ」と述べている。

中国はアメリカのハイテク業界の3分の1を占め、製品コンポーネントの入手先および末端市場として代替先はあり得ないとフアン氏は見ている。よって中国への規制強化策を講じる際は「じっくり考えること」と警告している。

フアン氏は、「中国市場を奪われればわれわれ策がない。(世界に)中国は一つしかないからだ」と言い、「理論上は台湾以外の場所でチップを作れるが、中国市場は代えられない」とのことである。

エヌビディアの2023年1月までの年間決算を見ると、中国および香港の売上高合計が全体の20%以上にあたる57.85億ドル(約8076億円)となっている。

(中国経済新聞)