テスラ、中国で大規模リコール 対象台数はここ数年間の累計販売分に相当

2023/05/15 17:31

中国国家市場監督管理総局は5月12日、テスラが大規模なリコールを行うと伝えた。対象となるのは2019年1月12日~2023年4月24日に生産された輸入Model S、Model X、Model 3および国産のModel 3、Model Yの中から計1104622台で、2023年5月29日から実施する。

110万台以上をリコールする理由についてテスラは、ブレーキによるエネルギーの回収機能が働かなくなること、また長時観アクセルを深く踏み続けると警告機能が作動しなくなる恐れがあり、これらによって長時間アクセルを踏み間違えるなど衝突の可能性が懸念されるという。

EVでは、エネルギーの回収という作用で、片方のペダルのみで走行するというワンペダル方式が可能となる。ペダルはアクセルとブレーキの両方があるが、アクセルペダルの操作のみでスタート、加減速、ニュートラル走行、そしてブレーキまでが可能となる。

ワンペダル方式については、清研華科研究院の上級アナリストである張抗抗氏も、これまでの運転習慣が染みついているドライバーからすれば危険性があるという。従来の操作法との切り替えにより意識が乱れるためで、従来の扱い方を変えるのは容易ではないと述べている。

張氏はワンペダルについて、メーカー側で利用者に選択の場を用意すべきと見ている。

テスラの中国での販売台数(輸出を除く)は、2019年が4万台以上、2020年が14.8万台、2021年が32.07万台、2022年が43.9万台、今年1~4月が17.7万台で、これらを合わせると、今回のリコール対象台数とほぼ同じ112.47万台となる。

(中国経済新聞)