中国銀行保険監督管理委員会は5月9日、自動車メーカーのBYDが「易安財産保険」の全株式10億株を取得したことを認めると発表した。易安財険はこれにより、BYDの全額出資子会社となる。
今回の買収劇について業界内では、リスクを抱えた会社の処置というだけでなく、自動車メーカーによる保険業界参入の典型事例と見られている。保険やナンバー登録まで手中に収めるという一貫体制を備えたことで、保険斡旋会社の幹部から「保険も様変わりした」とため息が漏れた。ただし、「自動車メーカーが保険に完全に浸透するにはまだ努力が必要で、当面は市場への影響も少ない」との声も複数寄せられている。
易安保険は中国に4社あるインターネット専門保険会社の一つで、2016年2月に設立され、登記先は深センで資本金は10億元（約195億円）である。会社情報によると、インターネット取引と直接かかわりのある企業や家庭の財産保険、貨物輸送保険、責任保険、信用保証保険、短期健康/傷害保険を取り扱っている。
易安財険はインターネットの保険会社である故、支店などを持たずに中国全土で事業展開できる。業界関係者は、今回のBYDの出資で現在まだ取り扱っていない自動車保険が新たに事業対象として届け出されるものと見ている。
（中国経済新聞）