中国の動画アプリ「テンセントビデオ」と「Tiktok」は4月7日、長尺もの・短尺もの両方の普及拡大やショートビデオにおける創作について事業提携することで合意したと発表した。
テンセントビデオは今後、Tiktokに対して情報ネットワーク伝達権や転売権を有する長尺動画のライセンスを付与する。また二次創作や発表のルールも定めた。Tiktokグループ配下のTiktok、「西瓜視頻」、「今日頭条」などのユーザーもそれらの作品から二次創作ができることになる。この提携により、良質なショートビデオの制作や配信が進み、サービスの質が一段と向上することになる。
テンセントは以前、人気のビデオ「雲南虫谷」(The Worm Valley)についてTiktokが著作権を侵害したと提訴しており、2022年10月26日に陝西省西安市の中級人民裁判所でTiktokに対し賠償金の支払いを命じる判決が下されている。これによると、Tiktokのかなりのユーザーがこの作品に対する侵害行為を働き、Tiktokはその発生件数を抑える措置を講じながらも効果が薄かったとして、Tiktokが侵害行為をほう助したと判断された。よって当該ビデオに対して直ちに削除やフィルタリング、ブロックなどの措置を講じたうえ、被害総額および関連費用として3240万元余り(約6.23億円)をテンセントに支払うよう命じた。Tiktokは控訴すると表明している。
Tiktokは、「当該ビデオはユーザーが配信したものであり、膨大な数のユーザーの情報を審査することは不可能だ。また法律的にコンテンツの審査義務はなく、情報ネットワークの保存サービスのみを行っている。コンテンツ配信の際は知的財産権を侵害しないようにとユーザーに注意しているほか、通知の削除義務も実行しているので、侵害行為には当たらない」と主張している。
(中国経済新聞)