浙江省の上場企業「浙江中馬伝動股分有限公司（Zhejiang Zomax Transmission Co., Ltd.）」は2月14日、同社の元取締役会長で実質的支配者の1人である呉江（Wu Jiang）氏が病気のため55歳で逝去したと発表した。

公開されている資料によると、呉氏は、1968年浙江省温嶺 （Wenling）市生まれ。1985年、呉氏の父親である呉良行（Wu Liangxing）氏が同社の前身である「温嶺県大衆歯輪廠」を設立、高校を卒業した呉氏も1998年から経営に携わるようになった。その後、「浙江中馬伝動股分有限公司」に名前を変更、2017年には上海A株市場に上場を果たした。呉氏は同年から亡くなる4日前まで取締役会長を務め、会社経営に尽力していた。また関係者によると、病名は肺癌だった。

呉江（Wu Jiang）氏

その前日の13日には、同じく浙江省の上場企業「三力士股分有限公司（Sanlux Co., Ltd.）」が、創業者の呉培生（Wu Peisheng）氏が76歳で逝去したと発表した。

また2月10日には、「杉杉控股有限公司（Shanshan Holdings Ltd）」会長である鄭永剛（Zheng Yonggang）氏の逝去が発表されている。

浙江工商大学教授で同大学の浙商研究院常務副院長でもある楊軼清（Yang Yiqing）氏は、鄭永剛氏に取材したことがあり、また何度か呉培生氏とも面会したことがある。呉氏は口数は少ないがとても落ち着いていて、がっしりとした体格をしていたのを覚えている。この2人を失ってしまい大変悲しい、と述べた。また経営者は大きなストレスに加え、出張、徹夜、飲酒など身体的負荷を伴う業務が多いため、スポーツ選手のような体力を持つ必要がある、と述べた。

浙江大学健康促進センターの陳麗英（Chen Liying）主任によると、私たちの体調は食事、運動、仕事、休息、ストレス、心の状態、禁煙、飲酒の習慣と密接に関係しているが、毎日規則正しい生活を心がけるのは実際とても難しい。適度なストレスは体に良い影響を与えるが、ストレスが多すぎると免疫システムのバランスが崩れ、慢性疾患、精神疾患、癌など様々な問題を引き起こしてしまう。

5日間に3人の著名企業家が亡くなったことは、私たちに健康で仕事を続けるには何が大切なのかを、もう一度しっかり考える必要があることを教えてくれている。

（中国経済新聞）