瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)は過去にも、既存店売上高の連続減少に直面したことがある。2024年には、出店ペースの加速に加え、9.9元(約233円)の低価格を武器としたコーヒーの価格競争の影響を受け、既存店売上高が3四半期連続で2桁の減少となり、年間では16.7%減少した。その後、9.9元の販促対象を縮小し、平均販売価格が上昇するにつれて、既存店売上高の減少幅は四半期ごとに縮小し、2025年初めにはプラスに転じた。
一方、既存店売上高が依然として本格回復に至っていないにもかかわらず、同社は出店ペースを緩めていない。第3四半期には2599店舗を純増し、総店舗数は前年同期比33%増の3万8909店舗に達した。

郭謹一董事長兼CEOは、中国国内のコーヒー消費市場はまだ成長の初期段階にあり、コーヒー市場が成熟した国々と比べても大きな成長余地があると説明した。また、1人当たりのコーヒー消費量も増加していることから、今後も競争力のある出店ペースを維持する方針を示した。決算資料によると、第3四半期の月間平均取引顧客数は1億2300万人となり、前年同期比9.6%増加した。
注目されるのは、第3四半期に同社の財務面で新たな動きが見られたことだ。潤沢なキャッシュフローを確保している一方、四半期中に新たに32億5000万元(約764億円)の短期銀行借入金を計上した。2025年末時点では短期銀行借入金はゼロだったが、同社は今回の借り入れについて説明していない。
同じ時期に、同社は総額5億ドル(約790億円)の新たな自社株買い計画を発表した。前回の自社株買いでは、累計約3億9000万ドル(約616億円)相当の株式を買い戻している。
香頌資本の沈萌董事は、第一財経の取材に対し、今回の借り入れは自社株買いと関連している可能性があるとの見方を示した。自社株買いには多額の資金が必要となり、手元資金を大きく取り崩せば、日常的な事業運営に必要な資金の確保に影響する可能性がある。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ局面に入っていることから、将来的な借入コストの上昇を見越し、早めに資金を調達することで調達コストを抑える狙いも考えられると指摘した。
また、新たな事業拡大に向けた資金を確保する狙いが含まれている可能性もあるとの見方を示した。
(中国経済新聞)
