台湾積体電路製造(TSMC)は10月8日、2026年9月の連結売上高が前年同月比54.6%増の5,118億5,700万台湾ドル(約2兆537億円)になったと発表した。前月比では0.6%減少したものの、9月としては過去最高を更新。人工知能(AI)関連半導体の旺盛な需要を背景に、同社の業績拡大が続いている。
9月の売上高は、2025年9月の3,309億8,000万台湾ドルから1,808億7,700万台湾ドル増加した。前年同期比では実に54.6%の大幅増となった。
一方、2026年8月の5,148億600万台湾ドルからは29億4,900万台湾ドル、率にして0.6%減少した。ただ、月間売上高は2カ月連続で5,000億台湾ドルを突破しており、高水準を維持している。8月の売上高は現在も単月としての過去最高記録となっている。
9月までの3カ月間を合計した2026年第3四半期の売上高は、1兆4,942億4,300万台湾ドル(約7兆4,055億円)に達した。前年同期比では約51%増、前四半期比では17.6%増となり、四半期ベースでも過去最高を更新した。

ロイターによると、同四半期の売上高は約467億ドルで、アナリストの平均予想である1兆4,600億台湾ドルを上回った。TSMCが事前に示していた第3四半期の売上高見通しは446億~458億ドルであり、実績はその上限を上回った。
AI向け半導体の需要拡大が業績を押し上げる中、TSMCは10月15日に第3四半期決算説明会を開催する予定だ。今後のAI需要の見通しに加え、先端プロセスや先端パッケージング、設備投資計画などに市場の関心が集まる。
2026年1~9月の累計連結売上高は、3兆8,987億2,700万台湾ドル(約19兆3,300億円)となった。前年同期比では41.1%増加した。TSMCの公式発表によれば、2026年1~9月の売上高は前年同期から4割を超える伸びを記録している。
前年同期の累計売上高は約2兆7,629億台湾ドルだったため、2026年の最初の9カ月だけで約1兆1,358億台湾ドル、円換算で約5兆6,300億円増加した計算になる。
今回のTSMCの好調な数字は、AI関連半導体市場の拡大を示す一つの指標となっている。
米半導体大手AMDのリサ・スーCEOは10月、CPU、GPUなどAIコンピューティング製品への需要が供給を上回っているとして、台湾のサプライチェーンへの投資をさらに拡大する方針を示した。AMDは5月に台湾への100億ドル規模の投資計画を発表しているが、スー氏は需要増加を受け、今後さらに投資を増やす考えを示している。
また、韓国のSamsung Electronicsは第3四半期の営業利益が107兆4,000億ウォン(約11兆円)になるとの見通しを発表。前年同期の12兆1,700億ウォンから約9倍に増える見込みで、AI向けメモリー需要の急増が業績を押し上げている。
AIサーバーを手掛ける鴻海(Foxconn)も、AIサーバーラックの需要拡大を背景に、2026年のAIサーバー関連出荷が大幅に伸びるとの見通しを示している。同社は2027年についてもAI生産能力への需要が非常に強いと説明している。
TSMCはNVIDIAやAppleなど世界の主要テクノロジー企業向けに先端半導体を製造しており、その売上高はAI関連投資の動向を測る重要な指標の一つとなっている。今回、第3四半期の売上高が市場予想を上回ったことは、AIインフラへの巨額投資が実際の半導体需要として顕在化していることを示している。
特にTSMCでは、2ナノメートル世代などの先端プロセスに加え、AIアクセラレーターなどに不可欠な先端パッケージングへの需要が重要となっている。同社は2025年に2ナノメートルの量産を開始し、2026年には生産を本格的に拡大する計画を示している。
もっとも、AI関連株や半導体株をめぐっては、巨額の設備投資が続く一方で、AI需要が長期的に持続するのかという懸念も市場には存在する。TSMCの10月15日の決算説明会では、こうした需要の持続性に加え、2027年以降の設備投資や先端製造能力の拡大方針が焦点になりそうだ。
(中国経済新聞)
