中国の博物館が「体験型」へ進化 非遺体験が夏休みの新たな人気に

2026/08/3 10:15

中国では夏休み期間に入り、各地の博物館や美術館で没入型の文化体験イベントや特別展が人気を集めている。無形文化遺産(非遺)や伝統文化を「見る」だけでなく、「学び」「体験する」ことができるプログラムが充実し、多くの家族連れや若者が足を運んでいる。

浙江省非物質文化遺産館では、この夏、40を超える非遺体験プログラムやテーマ別研修を実施している。漢方薬づくりや伝統工芸、民俗文化など幅広い内容をそろえ、特に企画展「本草凝匠心——非遺里的中医薬」が高い人気を集めている。

館内の体験コーナーでは、来館者がヨモギ入りの香袋や健康づくり用の木槌を手作りし、中医学の知識を生活に身近な形で学んでいる。担当者は「中医薬文化を通じて健康的な暮らしの理念を伝えたい」と話している。

四川省の成都博物館では、夏休み期間中の来館者増加に対応するため、閉館時間を午後6時30分まで延長した。同館所蔵の蜀錦や蜀繍などの文化財を活用した夏季限定の非遺体験も実施し、子どもたちは蜀錦の歴史や文様について学びながら、オリジナルの蜀錦しおり作りを体験している。

一方、美術館や博物館では大型企画展も相次いで開催されている。

中国美術館では、全国から寄せられた2,600点以上の応募作品の中から150点余りを選んだ「2026年全国中青年芸術創新芸術展」を開催している。同館で初めて中堅・若手芸術家の創作活動をテーマとした全国規模の特別展で、中国画、油彩画、彫刻、インスタレーション、写真、デジタルメディアなど多彩な作品を展示している。

江西省では、江西省博物館と八大山人紀念館が共同で「高山仰止 墨染千秋——八大山人誕辰400周年特展」を開催している。会場には絵画、書、篆刻など129点(組)の作品が展示され、八大山人の芸術の歩みを紹介している。

なかでも、全長約20メートルの国宝級水墨画長巻「河上花図巻」が南昌で初めて全巻公開され、大きな注目を集めている。展示ではホログラム映像を活用したデジタル演出に加え、スタンプラリーやテーマ別文化グッズなどの体験型企画も展開され、伝統芸術を身近に楽しめる工夫が施されている。

(中国経済新聞)