中国で近年、「成婚保証」や「スピード婚(閃婚)」「出会ってすぐ結婚」などを売り文句にした結婚相談サービスが急増する一方、一部の結婚相談所が高額な紹介料や結納金(彩礼)をだまし取る結婚詐欺の温床となっていることが社会問題化している。
被害の典型例では、結婚相談所が男女を短期間で引き合わせ、知り合って数日から数週間で婚姻届を提出させた後、女性側がすぐに離婚を切り出したり、突然姿を消したりするケースが相次いでいる。男性は高額な結納金や仲介手数料を支払った末、金銭と結婚生活の双方を失う被害に遭っている。
海南省瓊海市の警察が公表した事件では、男性は結婚相談を通じて知り合った女性と結婚し、現地の慣習に従って22万元の結納金を支払ったほか、仲介会社にも6万~7万元の手数料を支払った。しかし女性は婚姻期間中も元交際相手との関係を続けており、結納金の大半は使い果たされていたという。
同様の被害は各地で発生している。江西省の男性は2024年、貴州省の結婚相談会社の紹介で女性と「スピード婚」をしたが、結婚から22日後に女性が「実家で不幸があった」として帰郷し、そのまま失踪した。男性は結納金12万元に加え、17万元を超えるサービス料を支払った。仲介会社からサービス料は返金されたものの、結納金は回収できなかった。
また安徽省の男性も、紹介からわずか2日で結婚した後、約1カ月で離婚を切り出され、総額約33万元を失った。こちらも仲介会社から一部費用は返還されたが、結納金などの多くは戻らなかった。
警察や裁判所の調査によると、一部の悪質な結婚相談会社は、「必ず結婚できる」「短期間で成婚可能」と宣伝して顧客を集める一方、結納金目的の女性を組織的に集め、見合いから結婚、離婚までをマニュアル化した「ビジネスモデル」を構築していたという。
貴陽市では、大手結婚相談会社が2023年以降、「スピード婚」「先に結婚してから恋愛」といった広告で独身男性を勧誘し、総額500万元を超える詐欺事件を起こしたとして摘発された。
さらに近年は、こうした結婚詐欺が国際的な犯罪組織とも結び付くケースも確認されている。湖北省では、海外婚活を装って高額な手数料を徴収し、不正な旅券や査証(ビザ)の取得を手助けした上で、実際には結婚意思のない外国人女性との見合いをあっせんする違法組織が摘発された。
また河南省では、外国人女性を不法入国させ、既婚歴や子どもの有無などの重要な事実を隠したまま国内の独身男性に紹介し、高額な紹介料をだまし取る犯罪グループも摘発された。裁判所は、被告らに詐欺罪や他人の不法越境を組織した罪などで2年から12年の実刑判決を言い渡し、被害者への賠償も命じている。
専門家は、「成婚保証」や「短期間で結婚できる」といった過度な宣伝には十分注意が必要だと指摘している。契約内容を十分に確認し、一括払いを求める業者や、契約書に保証内容を明記しない事業者には慎重に対応することが、被害防止につながるとしている。
(中国経済新聞)
