7月14日,中共中央は、深刻な違紀違法問題により、前新疆ウイグル自治区党委書記で中共中央政治局委員の馬興瑞(ば こうずい)氏に対し、党籍開除および公職開除の処分を発表した。
中央紀律検査委員会・国家監察委員会の調査結果によると、馬氏は理想信念と政治的立場を失い、党の宗旨と初心使命に背き、政治規律・政治規則を深刻に違反した。また、全面的に厳格に党を管理する主体責任を十分に果たさず、側近の深刻な違紀違法および犯罪容疑問題を放置・監督不十分とし、悪影響を招いた。組織規律にも重大違反があり、組織の照会に対し事実を隠蔽し、幹部選抜任用で他者に利益を図り、本人および親族が他者の就職を不正に手配した。廉潔規律違反では、礼品・礼金の不正受領、親族の低価格住宅購入支援、権色・金色交易、親族による職務影響を利用した巨額利益取得を容認・放任し、家族腐敗を大々的に行った。さらに、公権力を私利私欲の道具に変え、職務上の便宜を利用して企業経営、工事受注、職務昇進などで他者に利益を図り、本人または親族・特定関係者と共謀して巨額の財物を不正に収受した。
中共中央政治局会議はこれを審議し、馬氏の行為が党性原則に完全に背き、高級幹部に対する党中央の政治的要求に重大に違反したと認定。党の十八大以降も収斂せず、手を控えなかったとして、性質が極めて深刻で影響が極めて悪質であると判断した。関連法規に基づき、党籍開除処分とし、国家監察委員会により公職開除処分を下した。党の第二十回全国代表大会代表資格を剥奪し、違紀違法所得を没収。犯罪容疑については検察機関に送致し、法的審査起訴を進める。党籍開除処分は中央委員会全体会議で追認される予定である。
馬興瑞氏は1959年10月、黒龍江省双鴨山市生まれ。ハルビン工業大学で飛行動力学を専攻し、工学博士号を取得。教授・博士生導師、国際宇航科学院院士の称号を持つ航空宇宙分野の専門家として知られる。

初期キャリアは主に学界・航天(宇宙)分野で、1988年に中国共産党に入党。ハルビン工業大学講師・教授、副校長を経て、1996年に中国空間技術研究院副院長に転じ、中国航天科技集団公司総経理・党組書記、国家航天局局長などを歴任。神舟有人宇宙船、嫦娥探月計画、天宮宇宙ステーションなどの国家大型プロジェクトに関与した技術官僚として評価された。
2013年に地方へ転じ、広東省党委副書記・政法委書記、深圳市党委書記、広東省省長を歴任。2021年12月、陳全国氏の後任として新疆ウイグル自治区党委書記(兼・新疆生産建設兵団第一政委・党委第一書記)に就任した。2022年の党第二十回全国代表大会で中共中央政治局委員に選出され、副国級指導者となった。2025年7月に新疆党委書記を退任し、その後中央農村工作領導小組副組長を兼任していた。
新疆在任中は、社会安定と長治久安を総目標に据え、疫情防控や経済発展、民族統一戦線工作などに取り組んだ。一方で、ウイグル自治区最大都市ウルムチでの長期ロックダウンや関連する社会事件も発生した。技術官僚出身の彼は、習近平時代に航天分野から地方・民族問題の重要地域を任された「新星」と目されていたが、今回の処分により政界での転落となった。
(中国経済新聞)
