聞泰科技、2025年は大幅赤字見通し、安世半導体の支配権制限が影響

2026/02/1 08:30

中国の電子・半導体メーカーである聞泰科技(600745.SH)は1月30日、2025年通期の業績予想を発表し、親会社株主に帰属する最終損益が90億元~135億元の赤字(約1兆8000億円~2兆7000億円)になるとの見通しを示した。

主要子会社である安世半導体(Nexperia)に対する経営支配権が依然として制限されていることが、業績悪化の最大の要因とされている。

聞泰科技と安世半導体をめぐっては、2025年9月末以降、オランダ政府当局が安世半導体の支配権に介入したことで注目を集めてきた。以降、同社は不透明な経営環境の中での事業運営を余儀なくされている。

数か月で黒字から一転、巨額赤字へ

業績の変化は急激だ。聞泰科技は2025年1~9月期(前三四半期)に、最終利益15億1300万元(約300億円)を計上し、前年同期比で大幅な増益となっていた。それにもかかわらず、通期では一転して巨額の赤字となる見通しで、短期間での業績の振れ幅の大きさが市場関係者の関心を集めている。

会社側によると、一時的要因を除いた実質的な最終損益は2億元~3億元の赤字(約40億円~60億円)にとどまる見込みで、通期赤字の大半は特別損失によるものだとしている。

安世半導体への支配権制限が重荷に

聞泰科技の発表によると、2025年第4四半期に、子会社である安世半導体およびその持株会社が、オランダ経済・気候政策省による大臣命令と、アムステルダム控訴裁判所・企業法廷の決定を受けた。

大臣命令についてはその後、一時的に効力が停止されたものの、企業法廷の決定は現在も有効であり、聞泰科技は安世半導体に対する完全な経営支配権を行使できない状態が続いている。

この影響により、同社は2025年において多額の投資損失や資産の評価損を計上する見込みで、これが最終的な赤字幅を大きく拡大させる結果となった。

安世半導体は、分立半導体やパワー半導体分野で世界有数の一貫生産メーカーであり、自動車向け半導体でも高い存在感を持つ。調査機関のデータによれば、2024年にはパワー分立半導体の世界売上高で第3位に入り、中国企業としては首位を維持していた。

財務責任者の辞任と監査法人の変更

同日、聞泰科技は財務責任者(最高財務責任者)の張彦茹氏が辞任することも発表した。張氏は2026年1月29日付で退任し、その後は同社の役職には就かない。任期途中での辞任となり、理由については「個人的な事情」と説明されている。

また、同社は2025年度の会計監査を担当する監査法人を容誠会計師事務所に変更することも明らかにした。会社側は、前任および後任の監査法人と十分な協議を行っており、いずれからも異議は出ていないとしている。

これらの動きについて、投資業界からは慎重な見方も出ている。香頌資本の沈萌董事は取材に対し、「業績の変動自体は企業経営では珍しいことではないが、財務責任者と監査法人が同時期に交代するケースでは、財務報告の内容をめぐる見解の相違が背景にある可能性も考えられる」と指摘した。

(中国経済新聞)