9月9日、中国国務院新聞弁公室は「『十四五』計画の高品質な達成」をテーマにした記者会見を開催した。工業情報化部の李楽成部長は、「十四五」期間(2021~2025年)における新型工業化の強力な推進と、実体経済の基盤強化に関する状況を紹介した。この期間、中国の製造業は顕著な成長を遂げ、規模において15年連続で世界一を維持している。
李楽成部長によると、2020年から2024年にかけて、中国の全産業の付加価値は31.3兆元から40.5兆元に増加し、製造業の付加価値は26.6兆元から33.6兆元に成長した。「十四五」期間全体では、製造業の付加価値の増加額は約8兆元に達する見込みで、世界の製造業成長に対する貢献率は30%を超える。製造業の付加価値は世界全体の約30%を占め、規模において15年連続で世界一を維持している。
この成長は、中国経済の強靭さと競争力を象徴している。製造業は国内総生産(GDP)の約27%を占め、経済の柱として重要な役割を果たしている。また、製造業の発展は雇用創出や技術革新、産業チェーンの安定にも大きく貢献している。
中国の製造業は、504種類の主要工業製品のうち、ほとんどの製品で生産量が世界一を誇る。産業体系の完全性も際立っており、原材料、電子機器、機械製造、消費財など、幅広い分野で強固な生産能力を有している。この包括的な産業チェーンは、グローバルなサプライチェーンの混乱や外部リスクに対する耐性を強化している。

さらに、中国はハイテク製造業やグリーン製造への投資を加速させている。例えば、新エネルギー車(NEV)、リチウム電池、太陽光パネルなどの「新三品」は、世界市場での競争力を高め、輸出額が2024年には1兆元を超えた。これらの分野でのイノベーションは、中国製造業の質的向上を牽引している。
「十四五」計画では、新型工業化を推進するための具体的な施策が展開されている。スマート製造、デジタル化、グリーン化を柱に、産業構造の最適化が進められている。政府は、人工知能(AI)、5G、産業インターネットなどの先端技術を活用し、製造業の高度化を図っている。また、カーボンニュートラル目標に沿った低炭素技術の開発も加速しており、2025年末までに主要産業のエネルギー効率をさらに改善する計画だ。
一方で、グローバルな経済環境の不確実性や貿易摩擦が課題として浮上している。米国や欧州による対中関税や技術輸出規制は、短期的な影響を及ぼす可能性がある。しかし、中国は国内市場の巨大さと産業チェーンの強みを背景に、これらの挑戦に対応する能力を有している。
中国の製造業が世界一を維持することは、グローバル経済にとっても重要な意味を持つ。世界の製造業生産の約3分の1を担う中国は、グローバルサプライチェーンの中心であり、原材料から最終製品まで幅広い分野で供給を支えている。特に、発展途上国や新興国への技術移転やインフラ支援を通じて、中国はグローバルな産業協力にも貢献している。
(中国経済新聞)