カンボジア、C909型旅客機20機を導入へ

2025/09/10 18:00

中国商用飛機有限責任公司(COMAC)は9月9日、カンボジア国家航空有限公司と覚書を締結し、最新鋭のC909型旅客機20機の導入で合意したと発表した。契約内容によれば、10機は確定注文、残る10機は意向注文として取り扱われる。

今回の協力覚書は、航空機の導入だけでなく、運航支援、整備体制、さらには航空産業育成など幅広い分野を対象としており、両国間の協力強化の象徴と位置づけられている。

カンボジア国家航空有限公司は、カンボジア王国政府が出資し、法律に基づいて設立されたフラッグキャリアである。同社は、同国で唯一、国際航空運送協会(IATA)の運航安全監査(IOSA)認証を取得しており、また世界的な航空会社格付け機関「スカイトラックス」から三つ星評価を受けている。

なお、カンボジアはC909を導入する最初の国ではない。すでにインドネシア、ラオス、ベトナム、ブルネイといった東南アジア諸国が相次いで注文を発表しており、同機の市場拡大は急速に進んでいる。

C909は、中国商飛(COMAC)が開発した最新世代の単通路型中型旅客機である。180席から200席規模を想定して設計され、航続距離は5,500〜6,000キロメートルとされる。主に短距離から中距離の国際線・国内幹線をターゲットとしており、アジア市場を中心に需要拡大が見込まれている。

機体には最新の空力設計と省燃費エンジンが採用されており、燃料効率の改善や運航コストの低減が図られている。また、機内の快適性向上を意識し、広めの座席間隔や最新の客室設備を備えていることも特徴である。

C919の後継機として位置づけられるC909は、中国の民間航空産業がさらなる国際化を進める象徴ともいえる存在だ。今回のカンボジア国家航空との契約は、東南アジア市場でのプレゼンスを一層強める契機となりそうだ。

(中国経済新聞)