人造石台面加工に従事する若者たちの塵肺病による死亡が相次ぐ

2025/08/25 11:30

32歳の羅煥徳さんは、塵肺病の第三期患者であり、24時間酸素吸入器に頼って生活している。発病前、彼は福建省や貴州省などで長年、人造石英石を主とする人造石台面の加工に従事していた。大量の二酸化ケイ素を含む粉塵が彼の肺に沈着し、肺組織の繊維化を引き起こした。取材当日、彼の血中酸素濃度はわずか77%だった。酸素チューブの長さに制限があり、活動能力も失われているため、幼い息子が家の前で立ち、羅煥徳の限られた行動範囲を身振りで示した。

人造石英石は耐摩耗性や耐傷性に優れ、汚れや浸透にも強いため、現在は家庭のキッチンや浴室の台面装飾に広く使われている。しかし、労働者が人造石英石を切断したり研磨したりする際、大量の二酸化ケイ素粉塵が発生する。こうした高濃度の粉塵に長期間さらされると、塵肺病を発症するリスクが高まる。

羅煥徳さんは「財新網」の取材に対し、彼が住む貴州省貴定県盤江鎮の千戸布依寨では、親戚や縁故を通じて多くの若者が福建省や貴州省で人造石台面の加工に従事していると語った。作業中、「当時は知識がなく、防护意識が全くなかった」と振り返る。工場での生産は粗雑で、主に乾式切断が行われ、粉塵が飛び散っていた。ある者は「研磨しながらタバコを吸っていた」とさえいう。また、塵肺病についての体系的な理解が不足していたため、多くの労働者はこの仕事が不可逆的な肺疾患を引き起こす可能性があることに気づかなかった。羅煥徳さんの妻、高敏さんは、夫が仕事から帰宅すると「目だけが見えて、全身が白い粉塵に覆われていた」と回想する。

羅煥徳さんが発病した後、高敏さんは家庭に戻り、夫の日常生活を支えている。病状の悪化に伴い、現在は羅煥徳さんのそばに常に誰かが必要だ。高敏さんは当初、突然の家庭の変化を受け入れられず、母親と寝室でこっそり抱き合って泣いていたという。今では夫の前では平静と楽観を装うようにしている。「この病気が治れば、彼と一緒に年を取れる。でも、治らなくても、子供を立派に育て上げる」と涙ながらに語った。

「財新網」によると、近年、千戸布依寨では人造石加工に従事し、塵肺病を患った若者たちが次々と亡くなっている。羅煥徳さんによると、彼をこの業界に導いた従兄は2019年に塵肺病で亡くなり、その後、弟の羅紅さんも石材加工による同病で逝去した。「当時は亡くなる人が多すぎた。21、22歳の若者もいた」と彼は振り返る。身近な若者たちの死が相次いだため、2020年に羅煥徳さんは自ら病院で検査を受け、「少し(塵肺病の)兆候があると感じ、CT検査で発覚した」と語った。

(中国経済新聞)