中国各地で最低賃金基準を大幅引き上げ

2025/08/25 07:30

中国各地で最低賃金基準の引き上げが発表され、労働者の賃金水準向上が進む。北京、上海、湖南、福建など複数の地域で新たな基準が設定され、2025年7月および9月から順次適用される。以下、各地域の詳細を報告する。

北京市人力資源和社会保障局は、2025年9月1日より最低賃金基準を改定する通知を発表。月額最低賃金は2420元(約4万9767円)から2540元(約5万2248円)に引き上げられる。非フルタイム労働者の時間給最低賃金は26.4元(約543円)から27.7元(約570円)に改定される。これにより、北京市の労働者の収入向上が期待される。

上海市人力資源和社会保障局は、2025年7月1日より最低賃金基準を調整。月額最低賃金は2690元(約5万5313円)から2740元(約5万6362円)に引き上げられ、全国最高水準を維持。時間給最低賃金は24元(約494円)から25元(約514円)に改定。月額最低賃金には、残業代、夏季高温手当、夜勤手当、有害環境手当、食事・通勤・住宅補助、個人負担の社会保険料や住宅積立金は含まれず、雇用主が別途支払う。月額基準はフルタイム労働者、時間給基準は非フルタイム労働者に適用される。

湖南省人力資源和社会保障局は、2025年9月1日より最低賃金基準を改定。月額最低賃金は3段階に設定され、2200元(約4万5254円)、2000元(約4万1140円)、1800元(約3万7026円)となる。非フルタイム労働者の時間給最低賃金は22元(約452円)、20元(約411円)、18元(約370円)に調整。基準には労働者負担の社会保険料が含まれる。各市州は地域の実情に応じて適用基準を選定し、省庁に報告する。

福建省は2025年4月1日より最低賃金基準を改定。月額最低賃金は4段階で2265元(約4万6591円)、2195元(約4万5151円)、2045元(約4万2056円)、1895元(約3万8980円)に設定され、平均値は2100元(約4万3197円)。年平均増加率は4.03%。非フルタイム労働者の時間給最低賃金は23.5元(約483円)、23元(約473円)、21.5元(約442円)、20元(約411円)で、年平均増加率は4.1%。

中国の最低賃金は、各地域の経済状況や生活費を考慮し、2~3年ごとに改定される。今回の引き上げは、労働者の生活水準向上と経済成長の均衡を目指すもの。北京や上海の高水準な基準は、都市部の経済発展を反映し、湖南や福建の多段階設定は地域差への柔軟な対応を示す。

(中国経済新聞)