2025年に中国で公開された国漫(中国アニメ)をピックアップしました。
1.『吞天記(どんてんき)』
『吞天記』は、東呉の太子・呉煜(ごいく)が偶然手に入れた「太古戦仙」の伝承をきっかけに、凡人から仙仏へと成り上がる壮大な物語を描いた作品です。
世間からは「救苦救難の帝仙」と称えられる一方、仙仏界からは「天地を呑み込む妖魔」と恐れられる――その複雑で多面的な主人公像が見どころとなっています。

本作は杭州索以文化司科技股份有限公司が制作し、2024年7月に国家広電総局の重点ネットアニメとして企画登録されました。全12話構成で、2025年5月19日に「テンセント動画(Tencent Video)」で初配信。その後は南瓜电影网、五五影院、樱花动漫-花生影院などのサードパーティ配信サイトでも無料で公開されています。
2.『最強昇級(さいきょうアップグレード)』
『最強昇級』は、“夢・勇気・成長”をテーマにしたファンタジー冒険譚です。舞台は、人々が「霊能」と呼ばれる神秘の力を有する世界。霊能の強さがその人の社会的地位を決め、絶えず霊能を高める者は「霊能者」として尊敬を集めます。
主人公・林逸(りんいつ)は、ごく普通の少年に見えながら、体内に眠る強大な霊能が覚醒。小さな町から冒険の旅へと踏み出し、仲間と共に悪しき勢力に立ち向かいながら、伝説の「最強昇級」の秘密を追い求めます。

物語は戦闘だけでなく、友情・愛情・家族愛といった温かさを描くのも特徴。林逸が外敵との戦いに挑む一方、自らの内面に潜む迷いや恐怖を克服し、真の英雄へと成長していく姿が描かれます。毎回の“霊能の進化”は、彼の心の覚醒でもあるのです。
3.『小仙之瑶(しょうせんのよう)』
『小仙之瑶』は、重生(転生)と二重生活を描く異色のファンタジー作品です。
隠族の尊主・禾宛(かかん)が天界へ突如襲来し、上神・南沢と激突。その際、玉仙・虞之瑶(ぐのよう)は南沢を守るために命を捧げ、禾宛と共に散ります。しかし、思いがけず虞之瑶は禾宛の肉体に転生。尊主・禾宛として生まれ変わることになります。

ただし転生後の禾宛は隠の力を大きく失い、西海の隠衛・聴昭が助力に現れます。以降、虞之瑶は人前では威厳ある尊主を演じつつ、君の前では可憐に振る舞うという“二面性の女尊”として歩むことに――。複雑な立場と人間関係が生み出す緊張感が、視聴者を惹きつけるポイントです。

2025年は、中国アニメにおいて「修仙」「冒険」「転生」といったジャンルを大胆に取り入れた多彩な作品が登場しています。重厚な世界観から心温まる人間ドラマまで、視聴者を魅了するラインナップが揃っており、今後の展開にも注目が集まります。
(中国経済新聞)