中国河南省の名刹・少林寺が、インターネット上で広まった「30人以上の僧侶が集団で辞職した」との噂を公式に否定した。8月9日、少林寺管理処は声明を発表し、「最近のネット上の30人の僧侶の集団辞職に関する噂は事実無根であり、皆様には噂を信じず、拡散しないようお願いします」と呼びかけた。
この噂の発端は、印楽法師が釈永信氏に代わって少林寺の住持に就任後、寺院の改革に着手したことに遡る。改革では、商業化運営の廃止、修行制度の厳格化、衣禅労働の強化、僧侶の外出制限など、複数の新規則が導入された。ネット上では、これらの改革が実施されてからわずか1週間で、30人以上の僧侶や従業員が寺を去ったとの情報が拡散し、「離職潮」とも呼ばれる事態が注目を集めた。
改革と噂を巡って、世論は賛否両論に分かれている。一部のネットユーザーは、今回の改革を「偽の僧侶を排除する骨を削るような改革」と称賛する一方、少林寺の年間収入が大幅に減少することで運営が困難になるのではないかと懸念する声も上がっている。
少林寺は中国仏教の聖地であり、武術文化の象徴として国内外で広く知られている。今回の改革とそれに伴う議論は、伝統と現代化のバランスをどう取るかという課題を浮き彫りにしている。管理処は、引き続き寺の運営と修行環境の改善に努めるとしている。
(中国経済新聞)