トランプ米大統領、企業団を率いて訪中の計画か? 中国商務省が談話発表

2025/07/3 17:07

7月3日、中国商務省は定例記者会見を開催し、米国大統領ドナルド・トランプが数十人の企業最高経営責任者(CEO)を率いて中国を訪問する計画に関する報道について質問を受けた。この話題は、最近の日米メディアの報道で注目を集めており、中米間の経済貿易関係の新たな展開として関心が高まっている。

中国商務省の何咏前報道官は記者会見で、「この件に関して提供できる情報はないが、中方の立場は一貫しており明確である」と述べた。さらに、「米国が中国と歩調を合わせて、両国首脳の戦略的指導の下、相互尊重、平和共存、協力による共赢の原則に基づき、合意を増やし、誤解を減らし、協力を強化し、中米経済貿易関係の健全で安定した持続可能な発展を共同で推進することを望む」と強調した。

日経アジアなど一部メディアは6月28日、米国の当局者がトランプ大統領の訪中計画を準備中であり、今年後半に数十人の企業CEOを率いた大規模な代表団が中国を訪れる可能性があると報じた。この訪中は、トランプ大統領が5月にサウジアラビアを訪問した際の「ビジネス重視」のアプローチに似たものとされ、経済協力や投資機会の拡大を目的としているとされている。

これに対し、ネット上ではさまざまな反応が見られる。あるXの投稿では、「トランプが中国との貿易拡大を通じて経済的利益を追求するのではないか」との意見が飛び交い、一部では「これは中国に資金を注入する動きだ」との皮肉も見られた。しかし、これらの情報は推測の域を出ず、公式な確認は得られていない。

中米関係の背景には、2018年に始まった貿易戦争や技術分野での対立がある。トランプ政権下では、知的財産権の盗用や不公正な貿易慣行を理由に、中国からの輸入品に対し高関税を課すなど、強硬な政策が展開された。 しかし、2025年6月5日の習近平国家主席とトランプ大統領の電話会談や、6月9日から10日にロンドンで開催された経済貿易会談では、両国が対話と協力の重要性を確認し、緊張緩和に向けた枠組みについて原則合意に達した。 ロンドン会談後、両国は緊密な連絡を維持し、最近では米国が一部の対中制限措置を解除するなど、関係改善の兆しが見られる。

トランプ大統領の訪中計画が実現すれば、経済貿易分野での対話がさらに進展し、両国間の協力が深まる可能性がある。一方で、訪中の具体的な日程や目的、参加企業など詳細は依然として不明であり、今後の動向が注目される。中国商務省の慎重な対応は、こうした不透明な状況下での原則的な立場を示すものとみられる。

中米両国は、複雑な国際環境の中で、経済的相互依存と競争のバランスを模索している。トランプ大統領の訪中が実現すれば、ビジネスチャンスの拡大だけでなく、両国間の信頼構築や誤解解消にも寄与するかもしれない。

(中国経済新聞)