12月20日、マレーシアのロケ・シュー・フック(Loke Siew Fook)交通大臣は記者会見で、2014年に消息を絶ったマレーシア航空のMH370便について、「捜索を再開することでほぼ同意した。乗客の親族との約束事だ」と述べた。
2014年3月8日、乗客乗員239人を乗せてマレーシアのクアラルンプールから中国の北京に向かったマレーシア航空のMH370便が消息を絶った。後に世界各地で機体の残骸が発見されたが、捜索活動はこれまで何度も中断していた。
フック交通大臣は今回の捜索について、海洋探査会社「オーシャン・インフィニティ」(OCEAN INFINITY)が提供した最新情報やデータの分析に基づくものと述べた。交通省で検討した結果、多くの専門家が練り上げた方策が「信用できる」と見なしたとのことで、オーシャン・インフィニティも今回定めた搜索の範囲について自信を持っているという。
オーシャン・インフィニティは、アメリカとイギリスに主要スタッフを抱え、海洋ロボットを主力としている探査会社である。2017年に設立されてから、先端技術を生かして何度も難易度の高い海中捜査に成功している。最近では、2018年に南大西洋で消息を絶ったアルゼンチンの潜水艦「ARA San Juan」の残骸を海面下907メートルで発見、また2019年には1968年に消息を絶ったフランスの潜水艦Minerveを海面下2370メートルで発見、2022年には、1914年に南極のウェッデル海で氷に閉じ込められた「エンデュアランス」を、最新の水中ロボットを使って発見するなど、成果を挙げている。最新の技術を備えている同社は、「発見なければ報酬なし」との原則を守っている。フック大臣は今回、「契約条項に基づき、主な残骸が発見された場合にのみ7000万ドル(約109.7億円)の報酬を受ける」と述べた。またその残骸は「一部では不可」とのことである。
今回の捜索は、インド洋南部の約1.5万平方キロメートルの海底で実施するという。2018年捜索時の11.2万平方キロメートルより範囲が13.4%狭まることになる。オーシャン・インフィニティの申し出によると、今回は以前の捜索の教訓をくみ取って的確に変更し、成功の可能性が高い区域を中心に捜索範囲を広げる。またオーシャン・インフィニティは、過去に捜索済みの海域にも行って、機器類のトラブルや地形の影響でデータが不十分だった海底を再びスキャナーにかける予定である。マレーシア交通省は2025年初めに契約を取り交わし、その後直ちに捜索が始まるものと見られる。オーシャン・インフィニティによると、捜索に最も適切な時期は1月から4月という。
(中国経済新聞)