湖北省、水素エネルギー産業の育成に力 2027年までに生産額2兆円を目指す

2024/11/16 07:30

湖北省政府弁公庁がこのほど「水素エネルギー産業の早期発展への行動案(2024—2027年)」を発表し、2027年までに水素エネルギー関連産業の全生産額を1000億元(約2.145兆円)とするという方針を打ち出した。

この内容として、2027年までに武漢を中心とする水素エネルギー産業の大まかな枠組みを形成し、電解槽や燃料電池などを軸とした全国規模のプラントを作り上げ、交通や工業といった分野で水素エネルギーの利用モデル地域とするなど、中国全体の中でも重要拠点としていく。

産業規模については、省全体の水素エネルギーに関する生産額を、気体関連で300億元(約6435億円)、エネルギー利用プラントや部品で400億元(約8580億円)、その他も合わせて計1000億元(約2.145兆円)とする。さらに水素エネルギー産業群を国の戦略的新興産業群とし、業界内で国内大手10社以上、重点企業100社を育成または導入する。

イノベーションについては、省級の産業イノベーションの場を6か所設立し、陽子交換膜、膜電極、電解槽、水素貯蔵などの技術指標を海外レベルに引き上げ、水素の燃料電池や自動車の開発や利用について国内最先端を維持し、10項目以上の国のモデル産業基準や規範を打ち立てる。

利用面では、低コストで多様な水素エネルギーの供給体制を築くなど環境配慮型の水素製造事業を実行し、水素充填所を100か所設け、水素ガスの生産能力を150万トン/年とする。さらに、交通や工業、貯蔵発電といった分野で水素エネルギーの利用を全面的に拡大する。燃料電池車については7000台以上とし、また燃料電池の船舶や飛行物体の普及度合いも中国トップレベルとする。

また、近代的水素エネルギー産業の最高地位を占めるべく、全国的な影響力のある産業群を築き、湖北省を水素エネルギーの先行地とし、今回発表された行動案について、水素エネルギー産業の技術革新の一等地とし、産業チェーンやサプライチェーンの質の高い発展を促し、健全な産業サポート体制を築き、水素エネルギーの様々な用途を開拓する、といった4点について計14件の主要プロジェクトを掲げた。

支援内容として、水素エネルギー産業の「3つのチェーン」体制を実行し、省の各部門における連携や、市や県との上下接続を強化する。さらに10億元(約214.5億円)レベルの省級水素エネルギー産業投資ファンドを設け、技術革新、インキュベーター、加速、上場を果たせる資金面のニーズに応える一連のファンドを形成していく。

(中国経済新聞)