不動産開発の陸家嘴、蘇鋼集団に2000億円以上の賠償金を請求

2023/11/10 20:30

上海市浦東の国有資産監督管理委員会の傘下である上場会社の「陸家嘴」は、自社および子会社の土壤汚染による損失分として、江蘇蘇鋼集団、蘇州市環境科学研究所、蘇州市蘇城環境科技、蘇州国家高新技術産業開発区管理委員会、蘇州市自然資源和計画局を起訴したと発表した。賠償金請求額は100.44億元(約2080億円)であり、現在は江蘇省高級人民裁判所で受理されているが未開廷である。

陸家嘴は不動産関連と金融関連を主力事業としており、不動産については土地の賃貸、物件の販売や賃貸、ビル管理サービスなどで、金融は証券関連、銀行融資、信託などを手掛けている。

今回の訴訟は、7年前の2016年10月の大規模投資を発端としたものである。当時、陸家嘴の子会社が222回にわたる競売の末、当初額から2倍となる85.25億元(約1765.3億円)の取引額で蘇鋼集団の全額出資子会社「蘇州緑岸房地産開発」の株式の95%を手に入れ、17か所の土地使用権を取得した。

ところが2022年、陸家嘴は一部の土地に重大な汚染を発見し、開発や建設作業を即時停止した。17か所のうちこれまでに14か所で汚染が確認され、その面積や汚染の程度は競売に出された時に発表されたものをはるかに上回っている。

陸家嘴は、土壤汚染により損害を被ったとして、蘇鋼集団を相手取り、江蘇省高級人民裁判所に対し賠償金100.44億元(約2080億円)の支払いを求める民事訴訟を起こした。さらに、別の4人に対しても連帯責任を負うように求めている。

(中国経済新聞)