全人代常務委員会で、秦剛氏が兼務していた外相を退任し、王毅氏が就任すると決定した。ただその理由は明らかにされていない。王毅氏は2013年から2022年まで外相を務めていた。
国務委員兼外相の秦剛氏は、この日まで1か月間も公の場に姿を見せず、一連の外交活動も欠席するなど、異例の状態であった。
この決定は、北京で火曜日(7月25日)に行われた第14回全人代常務委員会第4回会議における「任免案に関する審議」で下されたものである。ただ、秦剛氏の退任理由は触れられていない。
中国の国営テレビによると、習近平国家主席がこの後に決定を認める主席令に署名したという。ただ同じく、秦剛氏が国務委員から外れた件には触れていない。
これは去年秋の中国共産党第20回党大会以降で、中国政界における異例の事態である。秦剛氏は半年あまり前の去年12月に外相に就任したばかりで、共産党政権発足後では最も短命の外相となってしまった。
この1か月は秦剛氏の「消失」について、関係者の間やネットで様々な憶測が飛んでいた。中国の高官が突如、公の場から消えたということは、健康上の理由や政治的問題といった厄介な事態が生じたものと見られがちである。
秦剛氏は今年57歳で、中国では半世紀ぶりの若手外相であり、また今の政権幹部では最年少である。
秦剛氏が最後に姿を見せたのは、訪中したベトナムのブイ・タイン・ソン外務大臣を北京で迎えた6月25日であった。中国政府は今月11日に、外務省の汪文斌報道官を通じて、秦剛氏が「健康上の理由」で外交活動に出席できないと発表していた。この間は前外相で現中央外弁主任の王毅氏が職務を代行していた。
(中国経済新聞)