中国の太陽光パネル用シリコンの大手メーカーである通威は9月9日夜、子会社5社が太陽光発電会社の晶科能源およびその子会社を相手に、ポリシリコンを長期販売する契約を結んだと発表した。契約期間は2022年9月から2026年12月までで、販売数量はおよそ38.28万トンである。
太陽光発電事業を支える素材であるポリシリコンの原料シリコンは、業界の好調ぶりを受けて値上がりしており、10年ぶりの高値となっている。発表によると、今回の契約は「価格未定」とのことであり、実際の購買価格は月次での交渉により決める。市況に応じて適時変更し、最終的な取引額が取引総額となる。中国非鉄金属工業協会シリコン支部が8月31日に発表した、国内の単結晶粉末の平均取引価格30.51万元/トン(約628万円/トン)で計算すると、この契約における販売総額はおよそ1033.56億元(2.12兆円)となる。
晶科能源とその子会社である新特能源は、8月27日にもポリシリコンのバージン品33.6万トンを購入する契約を結んでおり、この時の金額はおよそ1020.77億元(2.1兆円)とみられるが、今回の購買額はそれを上回り、太陽光発電におけるポリシリコンの発注額として過去最大となりそうである。
契約期間は2022年9月から2026年12月であり、これで原材料が長期的に安定確保されると晶科能源は称している。また通威も、ポリシリコンの販売先が確保されて今後の事業計画につながり、会社の業績もよくなると表明している。
クリーンエネルギーの普及が世界的に叫ばれている中、太陽光パネルの設置数量が増え続けており、様々な会社が原材料の確保に向けてシリコンの長期購入契約を結んでいる。晶科能源は、半月ほど前にもシリコン大手2社とそれぞれ1000億元単位の購買契約を結んでいる。
(中国経済新聞)