中国のフィットネスアプリ「Keep」は香港証券取引所に対し、期限切れとなった2月の上場申請を改めて「有効化」し、上場を再度求める目論見書を提出した。
AppのKeepは、2015年2月の利用開始からユーザー数を急激に伸ばしており、今年第二四半期の月間平均アクティブユーザー数は4108万人で、売上高もここ3年間着実に増えている。ところがその一方で利益を生みだす策を見出せず、2019年から今年第一四半期まで計61億元(約1261.4億円)以上の累積赤字を抱えている。
Keepは、香港での上場を目指して今年2月25日に目論見書を提出したが、6か月経っても返答がなく、IPO申請が失効していた。そこで9月6日、改めて上場を目指すべく香港に目論見書を提出した。
コンサルティング会社の灼識諮詢によると、2021年、中国のフィットネス市場全体におけるオンライン市場の割合は47.0%で、2026年には60.6%にのぼるという。また去年、会員数や器具類なども含めたオンラインフィットネスの市場規模はおよそ3701億元(約7.65兆円)で、2026年には8958億元(約18.5兆円)になるとみられる。
ただし、現在の成長について業界筋では、客観的にコロナ禍による後押しを受けたものと見られており、コロナが収束するにつれてこうした要因が除かれ、Keepが今の勢いを保てるかは予断を許さないという。Keepはまた、このところの赤字状態を脱却できずに香港での上場実現も怪しくなっている。
(中国経済新聞)