広交会と輸入博が相次ぎ開催 中国の対外開放と巨大市場の魅力を世界に発信

2026/11/6 10:41

中国最大級の輸出入関連展示会である第140回中国輸出入商品交易会(広交会)が11月4日、広東省広州市で閉幕し、翌5日には第9回中国国際輸入博覧会(輸入博)が上海市で開幕した。輸出を主軸とする広交会と、輸入をテーマとする輸入博がほぼ切れ目なく開催され、中国の高水準の対外開放を象徴する二つの国家級展示会が相次いで世界に向けて開放と協力の姿勢を示している。

広交会は今年、創設70周年という節目を迎えた。第140回となる今回は、219の国・地域から35万2000人の海外バイヤーが来場し、前回の同時期と比べて12.2%増加した。海外からの旺盛な参加は、展示会としての機能強化に加え、中国の貿易の底堅さと成長の勢いを反映している。

長年にわたり広交会に参加してきた海外企業も多い。スペインの百貨店大手エル・コルテ・イングレスは1989年から37年間にわたって出展を続けている。同社の中国事業責任者フェレール氏は、広交会の強みについて、中国の産業エコシステムを一度に把握できる点を挙げる。数カ月かかる工場視察や事業展開の検討を、効率的な展示会の開催期間中に集中的に進められることは、ほかの展示会にはない魅力だと評価した。

インドネシアの長友グループも1995年から広交会に参加している。1997年のアジア通貨危機の際、中国製品の品質の高さとコスト競争力が同社の事業継続を支えたという。現在では中国から毎月3000コンテナ以上、20万種類を超える商品を調達している。取引関係も単なる商品売買から、サプライチェーンの連携、ブランドの共同展開、製造協力、産業投資へと広がっている。

広交会は中国製造業の高度化を映す場でもある。1999年には機械・電気製品が初めて出展品目の首位となり、現在では電子消費財が主要分野を占める。新型エネルギー貯蔵設備、身体性AI(実世界で動作するAI)、スマート医療など、先端技術を取り入れた製品も注目を集めている。伝統的な日用品から先端技術製品まで、中国製造業の構造転換とイノベーションの進展を示す展示会へと進化している。

一方、広交会に続いて上海で開幕した輸入博は、世界各国の商品や技術を中国市場につなぐ役割を担う。会場となる国家会展中心(上海)は、四つ葉のクローバーに似た外観から「四葉草(四つ葉のクローバー)」の愛称で親しまれている。

第9回輸入博には162の国・地域・国際機関が参加し、海外企業4142社が出展する。展示面積は初めて44万平方メートルを超え、企業展示エリアも37万平方メートルを突破した。世界の大手企業500社と各業界の有力企業は初めて300社を超え、初出展企業も2000社以上に達した。世界初公開、アジア初公開、中国初披露となる代表的な展示品は480点を超える。

展示内容も幅広い。消費財、農産物・食品、自動車など生活に身近な分野に加え、先端技術分野にも力を入れる。技術装備展示エリアでは、半導体材料や製造装置、設計、完成品に至るまで、産業チェーン全体を網羅する企業が集まり、次世代移動通信や人工知能(AI)などの最新技術を紹介している。

海外企業が中国市場に期待を寄せる背景には、巨大な消費市場と高度に整備された産業基盤がある。商務部によると、中国は17年連続で世界第2位の輸入市場となっており、2025年の輸入額は18兆5000億元(約43兆4750億円)に達した。また、中国は世界最大規模で、産業分野の幅も最も広く、サプライチェーンが最も整った製造業基盤を持つ。新製品や新サービスの実用性を検証し、事業規模を拡大するための市場としても存在感を高めている。

こうした強みに着目し、海外企業の参加意欲も高まっている。3年連続で出展する太古集団は、消費シーンの革新、デジタル技術の活用、環境配慮型の低炭素化などをテーマに、中国での事業成果を紹介する。同社の中国事業責任者、蒋意達氏は、中国には一貫性と予見可能性のある政策、巨大市場、充実した産業基盤、高度な人材があり、技術の実用化やサプライチェーンの連携を進めるうえで優れた環境が整っていると評価した。

医療機器大手GEヘルスケアは、9回連続で輸入博に参加する「皆勤企業」の一つだ。今回は世界と中国の技術を融合した40以上の革新的な技術・ソリューションを出展し、このうち21点が初公開となる。同社のグローバル執行副総裁、宋為群氏は、輸入博は世界最先端の技術を紹介するだけでなく、イノベーションの実用化や国際協力を加速させ、中国と世界をつなぐ重要なプラットフォームだと指摘。中国市場の強い回復力と、中国が世界のイノベーションを生み出す重要な拠点へと発展していることを実感していると語った。

両展示会の効果は、会場内の商談や成約にとどまらない。輸入博では、展示品が実際の商品となり、出展企業が中国への投資企業へと発展する「波及効果」が広がっている。過去8回の開催では、180を超える国・地域から延べ2万7000社が参加し、意向成約額は累計5800億ドルを超えた。新製品、新技術、新サービスも3400点以上が展示された。展示会で得られる市場の反応が企業の投資判断を後押しし、短期間の出展から中国市場への本格進出や追加投資へとつながるケースが増えている。

広交会も70年間にわたり、一度も開催を中断することなく、今回で140回目を迎えた。出展企業約3万2000社のうち、約2割が海外投資を展開し、進出先で20万人を超える雇用を創出している。中国企業と海外市場を結ぶだけでなく、各国の産業協力や現地経済の発展にも貢献する場となっている。

商務部研究院の研究員、龐超然氏は、単独主義や保護主義が強まる中、広交会や輸入博に代表される開放型プラットフォームは、外部環境の不確実性に対し、開放と協力の確実性を示す役割を果たしていると指摘する。両展示会の価値は、開催期間中の商談だけでなく、短期的な情報交換を長期的な販路開拓、投資、産業協力へと発展させる点にある。

中国は第15次五カ年計画(2026~2030年)のスタートに当たり、国家級展示会の機能をさらに強化し、自国の対外開放を通じて世界各国との相互開放と経済協力を促進する方針だ。

(中国経済新聞