中国の人工知能(AI)産業が急速に発展する中、具身型AI(エンボディドAI)市場が拡大している。11月4日、2026年世界インターネット大会烏鎮サミットで、中国サイバースペース研究院が中心となって編さんした「中国インターネット発展報告2026」と「世界インターネット発展報告2026」のブルーブック(年次報告書)が発表された。
「中国インターネット発展報告2026」によると、中国ではAIを活用した新たな経済形態が急速に台頭しており、2025年の企業向けAIエージェント市場は212億元(約4982億円)を突破した。具身型AI市場は約9150億元(約21兆5025億円)に達し、前年比20.4%増となった。
中国サイバースペース研究院の責任者は、AIが経済・社会のあらゆる分野に急速に浸透する中、AIを基盤とする新たな経済形態がデジタル経済の発展における重要な方向性になっていると指摘。過去1年間、中国のAI経済は力強い成長を示したと説明した。
具体的には、モデル・アズ・ア・サービス(MaaS)がAIサービスの普及を後押ししている。MaaSは、AIモデルを必要なときに利用でき、使用量に応じて料金を支払うサービス形態で、さまざまな産業との融合が進んでいる。2025年の中国のMaaS市場規模は175億元(約4113億円)に達し、中国のパブリッククラウドにおける大規模AIモデルの利用量は前年の約16倍に拡大した。
また、AIモデルの利用に伴うトークンの消費量も急増している。中国の日平均トークン利用量は、2024年初めの約1000億から2026年3月には140兆に達し、2年間で1000倍以上に増加した。各地ではトークンの実用化に向けた取り組みが進み、AI計算能力やサービス、アプリケーションなどを結び付けた産業の商業化が加速している。
一方、AI技術の急速な発展に対応し、中国は関連法規や制度の整備も進めている。AIを国家のサイバーセキュリティー関連法体系に組み込み、安全管理の枠組みを強化するとともに、関連する安全基準の策定や生成AIサービスの届出制度を推進している。
今年8月末時点で、累計1112件の生成AIサービスが届出を完了し、731件の生成AIアプリケーションまたは機能が登録された。報告書は、中国のAIガバナンス体制が着実に整備され、AI産業の発展がイノベーションの活力を引き出していると評価。世界のAIの健全な発展に向け、中国の知見と解決策を提供しているとしている。
「世界インターネット発展報告2026」は、世界的な視点からインターネットの発展状況を分析した。それによると、世界の主要国はAIを国家戦略に位置付け、技術開発や産業応用を加速させるとともに、ガバナンスのルール整備を進め、AI分野での主導権確保を目指している。
同ブルーブックは2017年から10年連続で世界に向けて発表されており、世界インターネット大会の重要な理論・実践研究成果の一つとして、インターネット分野の新たな進展や成果を紹介し、国内外から注目を集めている。
(中国経済新聞)
