A4用紙より薄い「蝉翼鋼」が量産化 中国、高機能鋼材で世界トップ水準へ

2026/08/6 11:45

中国の鉄鋼業界では今年、高機能・高精度材料の開発が加速しており、電子情報、新エネルギー、高度製造業など先端産業を支える高級特殊鋼の開発・量産が相次いでいる。

中央テレビCCTVの放送によると、注目を集めているのが、中国が独自開発した超薄型高級鋼板「蝉翼鋼(5G鋼)」だ。最薄部の厚さはわずか0.07ミリメートルで、人の髪の毛ほどの細さしかなく、一般的なA4用紙よりも薄い。それでいて高い強度と優れた延性を兼ね備え、世界最高水準の精密鋼材として評価されている。

首鋼京唐鋼鉄聯合有限責任公司のエンジニアによると、この鋼材は紙のように自由に折り曲げることができ、「紙飛行機」を作れるほどの柔軟性を持ちながら、高い耐久性を維持しているという。

現在、「蝉翼鋼」は安定した量産体制を確立しており、スマートフォン内部の精密ばね部品や集積回路(IC)基板、5G基地局の受信機やフィルター、新エネルギー車(EV)用バッテリー接続部材、高級食品缶のブリキ包装材など、幅広い分野で採用が進んでいる。

また、中国では高性能電磁鋼板(ケイ素鋼)の技術革新も進展している。厚さ0.1ミリメートル級の無方向性電磁鋼板は鉄損性能で世界トップクラスに達し、EVの駆動モーターやヒューマノイドロボットの関節モーターなどに広く利用されている。

この製品は世界の主要自動車メーカー上位10社に供給されており、中国国内では新エネルギー車3台に1台が、この電磁鋼板を使用したモーター鉄心を搭載している。さらに、ヒューマノイドロボット向けには、高磁束密度と低鉄損を両立した専用電磁鋼板も開発されており、高トルク密度と低発熱が求められる関節モーターの性能向上に貢献している。

中国では、高性能鋼材の技術革新が加速しており、次世代情報通信、EV、ロボットなど成長分野の競争力を支える重要な基盤材料として、その存在感を一段と高めている。

(中国経済新聞)