中国のIT大手・アリババグループ傘下の決済プラットフォーム「アリペイ」とフィンテック企業の「アントグループ」が創業20年を迎えた12月8日、浙江省杭州にあるアントグループの本社で記念式典が行われた。世界各地から社員が集まり、ミレニアムイベントやリレー競争、ボランティア活動などを通じて、初心や理想に敬意を示して20周年を祝った。また夜には、アリババグループの創業者であるジャック・マー氏が久方ぶりに姿を見せ、アントの事業エリアで社員を激励した。
マー氏はまず、創業20年となったアントに対し、「皆さんとともにアリペイの20周年を祝うことができてとても光栄だ。これまでの20年、皆さんはゼロの状態からアリペイ、余額宝、アントフォーレストを生み出してきた……そしてご自身の努力ややり方で社会の発展や整備に関わってきた。創設初期のメンバーを代表して、アリペイに、アントに敬意を表し、アントを祝福する」と述べた。そして「今日は、アントのこれまでの20年のためではなく、これからの20年のためにやってきたのだ」と言った。
マー氏は「どの時代もそれぞれの世代に色々な好機や課題をもたらすが、すべての人がそれをつかめるわけではない。20年前、インターネットが始まったばかりのころ、われわれの世代は非常に幸運で、インターネット時代のチャンスをつかんだ。そして今で言えば、今後20年間にAI時代がもたらす大きな変化は、誰の想像をも超えるだろう。AIはもっと偉大な時代となるからだ」と述べた。
さらにマー氏は、「AIはすべてを変えるだろうが、すべてを決定できるわけではない。技術はもちろん重要だが、今後の勝敗を本当に決めるものは、やはり今、われわれがこの間もなく訪れる時代のために、本当に価値があり、人とは違うことをすることだ」と述べた。
また、「われわれが今後できることは、やはりこれまで20年間頑張ってきたことだろう。テクノロジーが普通の人々の生活に幸福や進化をもたらすためには、AIにわれわれの感情を付与させ、われわれも感情をAIに付与しなければならない」と言った。
さらに、「アントは102年にわたり健やかに成長するいい会社になってほしい。20年はまたほんの1歩に過ぎない」というマー氏は会場で、すべての社員に夢を追い続けるよう求めた。「風雨を経験しなければ虹は見えない。これまで何年かの経験や試練に感謝し、アントを信じ、アントに親しみ、アントを助け、アントを支えてくれたすべての皆さんに感謝している。また、ここ数年アントを励ましてくれたことに感謝しているが、アントへの批判に対してもっと感謝する。アントが成長し成熟するのは、こうした励ましや批判があるからであり、これからのさらに遠く、さらに安定した歩みを支えるものでもあるからだ。アントが新しいページを開き、感情も義理もある若者たちが変革の時代に必ず新たなミラクルを生み出せるものと信じている。これからも大変だが、われわれは幸いにもそこに加わっていけるのだ」と語った。
(中国経済新聞)