60秒間で500億円以上の株を売却した寧波霊均が取引中止、けん責処分

2024/02/25 08:30

2月19日、投資管理の合資会社である寧波霊均が、証券取引所で取引開始から1分以内にプログラム操作で25億元(約522億円)以上の株を売却したことで、当局側からけん責処分を受けた。この行為で指標が急速に下がり、株の正常な取引秩序が乱れた上海および深センの両取引所は2月20日、寧波霊均に対し取引を停止した上、けん責処分への手続きを講じると発表した。

深セン証取は2月19日、取引を監視していた際に、寧波霊均が複数の口座で極めて短い時間に大量の株を売却したことで指標が急落したのを発見した。また上海証取でも、寧波霊均が管理する複数の銘柄が同時間帯に大量売却され、指数が急落した。こうした行為は、取引所のシステムや正常な取引秩序を脅かしてはならないとする規則に違反したと見なされた。

寧波霊均はこれに対して反応をしていない。中国の監視当局はこのところ、クオント取引に対する監視を強化しており、違法な操作を早期発見できるように報告制度を設けた。業界関係者によると、連続での委託や取消しは異常取引の典型例であり、特に管理規模が大きい場合は、アルゴリズム取引の場合でも注文が多いか取消し率が高すぎるなどで当局側の監視対象となり得るという。

寧波霊均はクオント投資を手掛ける私募ファンド管理会社で、2014年に発足、資産管理額は600億元(約1.25兆円)以上である。市場が短期間で大きく変動し試練を迎えている中、同社は自社のモデルが大きな打撃を受けていることを認めた。このため、経営陣が投資家に対して厳粛に謝罪し、深く反省し教訓をくみ取ってリスク制御や予防能力を高めることを約束した。改善を繰り返して収益の回復に努めるという。

(中国経済新聞)