家電大手「グリー」の董明珠会長、インフルエンサー秘書の退社について語る

2023/11/10 17:30

中国の家電大手「グリー」の董明珠会長が、インフルエンサー社員の孟羽童さんについて語った動画が話題となっている。董会長はある番組のインタビューで、「インフルエンサーに起用されるのは価値のあること、などと見る向きもあるが、それは大間違いだ。グリーという場にいながら別の所で宣伝をするのはいけないでしょう」と述べた。

公開資料によると、孟さんは1998年生まれで、2017年に浙江大学スペイン語学科に推薦入学した後、繰り返しバラエティー番組に出演していた。2021年7月に番組「新入社員の私たち」で正社員の座を射止め、董会長から「後継者にふさわしい」との評価を受けた。その後に董会長の秘書となったのである。

孟さんは2021年のグリー入社から2023年5月の退社まで、何度も検索ランキングに登場し、「孟さんを第二の董明珠に育て上げる」との董会長の発言はかなりの論議を呼んだ。

以前、董会長は孟さんに100万元(約2000万円)の年俸を出していたとのうわさが流れたが、実際には基本給が12万元(約249万円)程度であり、それ以外に職能給や販売分に応じた歩合給があった。これについて孟さんは動画で、「年俸100万元」を否定した上、在職中の給与は「大卒の初任給と同じで、大体5000元から10000元(約10万円から20万円)」と答えていた。

孟さんはグリーに在職中、商品のライブコマースをしていたほか、アプリのTiktokでグリーとは無関係の商品を何度もPRしていた。小紅書のアカウントでは、グリーの商品でないアパレル品、化粧品、デジタル商品、家具の推薦などが合わせて65件掲載されている。

孟さんは今年5月11日、「退社は自分で決めたもので、会社が悪いということではない」と述べた。これからは大学院目指して勉強を続けるという。小紅書では自らのIDを「ファッションブロガー」とし、フォロワー数は100万人を超え、プロフィールのタグには「新入社員の私たち」「社長秘書500傑」「人生のヒロインを演じよう」と書かれている。

業界関係者によると、小紅書ではフォロワー数100万人以上の場合、広告費用は18万-22万元(約373万円~456万円)とのことである。孟さんは「クリエイティブ広告」関連で21件の動画をアップしているので、半年で400万元(約8284万円)以上を稼いだことになる。

この関係者は、「孟さんには専門の広告会社と手を組んで稼ぎを伸ばすスキルはないだろう。仮にプロのスタッフが手掛けたら年に1000万元(約2億円)はいけるはずだ」と見ている。会社員ではやはり色々と自由が利かない、とのことである。

(中国経済新聞)