中国人留学生殺害事件の被害者の母親が米国で殺された女性の両親を見舞う

2023/04/29 16:30

江歌(Jiang Ge)さんと章瑩穎(Zhang Yingying)さん。それぞれまつわる話があり、悲運を迎えた。1人は日本で友人の元交際相手に刺し殺された中国人留学生、もう1人は派遣先のアメリカで誘拐殺人の被害者となった中国人学者である。ともに若い女性で前途を期待された身でありながら、異国の地で命を落としてしまった。

江歌さんの母親である江秋蓮(Jiang Qiulian)さんは4月27日、章瑩穎さんの両親のもとを訪ねた。悲運の家庭が初めて同席したのである。動画を見ると江秋蓮さんは、「私は慰めたりしないし、なだめたりもしない。私も分からない。どう言うべきか分からないから。ただ見舞いに来て、励ます。いいですか」と話した。簡単な言葉だが気持ちが伝わった。このような状態では慰めてもなだめても力にならないとわかっており、行動をもって気遣いや支えを表現するしかなかった。

章瑩穎さんは26歳、中国から派遣された研究員で、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)で農業や消費経済学を学んでいた。2017年6月9日、バスを待っていた時にブレント・クリステンセン容疑者に誘拐され、その後の調査や捜索でも身柄は発見されなかったが、すでに殺害されたとの証拠が挙げられた。

2019年6月、クリステンセン容疑者は連邦陪審団により章瑩穎さんを誘拐および虐待し、殺害したと裁決され、同年7月に保釈なしの無期懲役という判決が下された。この事件は国際的に報道され、米中両国の政府や国民の目が注がれた。章瑩穎さんの家族は、遺体を見つけ出してほしいと願っている。

(中国経済新聞)