ゲーム利用契約の終了をめぐって68日間続いた上海の網之易網絡科技発展(NetEase)と暴雪娯楽(BLIZZARD)の争いが「結末」を迎えたが、トラブルは尾を引いている。
網之易は先ごろ上海で、暴雪が一連のライセンス契約に違反したとして3億(約58.5億円)の返金を求める訴訟を起こした。
この金額は、網之易が支払った「魔獣世界」(World of Warcraft)など中止となったゲームの返金分全額、販売前で在庫分のゲームへの前払い費用、未開発ゲーム数種類の前払い保証金などの合計という。さらに今回、有力ゲーマーにおける「魔獣世界」などに関する契約に、暴雪側に肩入れした権益条項が含まれており、これらの合法性や実行性が問われる事態となっている。
網之易が暴雪を訴えた一番の理由は、暴雪が中国ゲーマーへの返金義務を拒否し、さらにこの返金に関わる前払い控除分の支払いも拒否したためとされる。関係者によると、暴雪のゲームである「魔獣世界」、「炉石伝説」、「守望先鋒」などが1月24日に使用中止となった後、網之易は利用者112万人以上による返金の申し出にすべて応え、全額を払っている。
網之易と暴雪とのトラブルは2022年11月17日、「交渉の結果、契約の延長について合意に達しなかったために契約期間終了をもって提携を中止する」と両者が相次ぎ発表したことに端を発している。
暴雪は1月17日、指示通りに1月23日にゲームの配信を中止すると公式発表した。さらに、2019年の契約を6か月間延長すべく二度に渡り網易と接触したが、「残念ながら網易は、新たな提携先を見つけるまでの間として既存の提携条項に基づきゲームの利用を6か月間延長することを望まなかった」とも触れている。
この「延長拒否」について網易は17日の深夜、「暴雪は延長交渉中に他社とも交渉を進めていて、それら他社との契約期間はすべて3年間であった。不平等かつ不公平であり、他の付帯条件も考えた結果、延長について合意に至らなかった」とコメントした。
(中国経済新聞)