フォックスコン、インドへの事業移転に伴い中国で32万人の人員削減か?

2023/03/19 23:08

中国メディアは、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で、米アップルiPhoneの約4割を受託生産する富士康科技集団(フォックスコン)が、事業の一部を中国からインドへ移転するに伴い中国で大規模な人員削減を実施していると報道した。

ネットの投稿によると、深圳市にある同社工場で生産ラインの解体が始まっており、時給制で働く労働者が大量に解雇されている。また人材派遣会社にも新規雇用はしないと通達が出されており、正社員には積極的に休暇を取るように勧めている。更に同社会長である劉揚偉(ヤング・リウ)氏の署名がされた内部文書も流出しており、その中には同社が2023年第1四半期に中国で32万人の従業員を解雇し、一部の生産ラインをインド、ベトナム、メキシコ等へ移転する予定が記されている。

こうした背景には、近年中国経済の急速な発展に伴い人件費が大幅に上昇したことでフォックスコンの中国における競争力が低下し、市場シェアも減少していることが考えられる。その一方で、インド政府は製造業振興策「Make in India」により、土地・税制・インフラなどの面で外国企業に対して優遇政策や支援を行っており、フォックスコンが7億ドル(約922億円)を投資してインドに新工場を建設し、約10万人の雇用を創出するとの計画も出ている。

今回の報道に対し、フォックスコンの担当責任者は「報道は事実無根であり、深圳の工場では正常に生産ラインが稼働している状態だ。また市場の変化に応じて適切な人事管理を行っている」と述べた。

(中国経済新聞)