マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は現地時間3月2日、ウクライナ問題や気候変動、新技術のGPT、および米中関係など様々なテーマについて、イギリスの「フィナンシャルタイムズ」のインタビューを受けた。
この中で司会者のラックマン氏は、「10年前の『フィナンシャルタイムズ』との昼食会で、『中国の成長や産み出した技術などに対してプラスに見るべきだ』と言ったのを覚えている。ところが今の世界を見ると、アメリカが中国の技術的進歩を止めようとしている。これをどのように見るか。世界は望み通りに動いていないように見えるが」と述べた。
これに対してゲイツ氏は、「アメリカが中国の強力なチップを排除することは永遠に無理だと見る」と述べた。
ゲイツ氏はアメリカの策について、「中国が時間やお金をかけてチップを製造するようになるだけ」と言った。中国がかなりの速さで追い上げていることから、アメリカが締め付けても大きなメリットが出るとは思えないという。
さらにラックマン氏は、「アメリカの(中国の技術的進歩を阻止するという)努力は成功しないだろうと見るか」と尋ねた。
これにゲイツ氏は、「その成功がわれわれにとって何を意味するのかさえわからない。チップ業界の雇用を減らし、生産過剰となることか」と答えた。
ラックマン氏はまた、「『中国との差を守るよう努めている。こうしたものは軍事用途であって、締め付けなくてはいけないと』とアメリカが言うと思う」と述べた。
これを聞いてゲイツ氏は笑い、「ゆえに、10年以内に戦争が起きると本気で思うのであれば(私はそう思わないが)、中国製チップを排除するなどと警告したらまずいではないか。なぜ中国に先にチップを作らせてしまうのか」と言った。
米中関係についてゲイツ氏は、ここ数年間の動向に失望や心配感を示し、「中国とは友好的であって欲しい。健全性やイノベーションなどすべての国でプラスになる物を持てば、われわれ(の関係)は悪化に向かうようだが、世界で一番大切な関係は米中関係だ」と述べた。
(中国経済新聞)