2月28日以降、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃の影響で、中東地域の航空運航は大きく混乱した。多くの国が空域を閉鎖し、3月1日には複数国で航空便が一時ほぼゼロになる事態となった。
その後、アラブ首長国連邦(UAE)などが段階的に空域を再開したことを受け、安全評価を前提に中国の航空会社も中東路線の一部を順次再開している。ただし、現時点での運航回復率は依然として高くない。
行きは空席、帰国便は満席
中国民用航空局によると、海南航空は3月2日と4日に海口―サウジアラビア・ジッダ間の往復便をすでに運航した。
また、中国国際航空は
・3月5日、6日、7日に北京首都―サウジアラビア・リヤド間の往復便を各1便
・3月6日、7日、8日に北京首都―UAE・ドバイ間の往復便を各1便
運航する計画としている。
このほか、
・中国東方航空は3月5日に北京大興―オマーン・マスカット間の往復便を1便
・中国南方航空は3月6日に広州―リヤド間の往復便を1便運航し、3月10日から深圳―リヤド線を再開する予定だ。
さらに、海南航空の海口―ドバイ便も再開され、同機は6日午前6時25分に海口美蘭空港を出発し、現地時間13時にドバイから海口へ折り返して、現地に滞留していた旅客の帰国輸送にあたる。
複数の航空会社によると、現在の中東行きの便の搭乗者は30~40人程度と少なく、多くは現地で長期生活や勤務をしている人だという。一方、帰国便はほぼ満席で、今後数日間も航空券の確保は難しい状況が続いている。
例えばドバイ―広州線では、4万元(約92万円)以上のファーストクラスしか残っていないケースもあり、すでに再開した路線でもオンライン旅行予約サイトでは販売が確認できない場合が多い。
中国国際航空はドバイ―北京線の再開に際し、旅客は同社アプリの「国際線航空券の変更・キャンセル待ちおよび購入予約」機能から申請し、座席状況と申請順に応じて航空券の変更や購入手続きの案内を受ける仕組みを採っている。
多くの空港会社の乗務員がホテルで待機しているが、滞留人数が多い一部の外国航空会社は、チャーター機や定期便を利用して乗務員を帰国させている。インド航空はドバイからチャーター機2便を手配し、143人のパイロットと客室乗務員を帰国させた。
米ユナイテッド航空の乗務員もすでに中東地域から退避しており、撤退には4日間を要した。イスラエル・テルアビブにいた乗務員はヨルダンへ移動し、アンマンから航空便で帰国した。一方、ドバイにいた乗務員は車でサウジアラビアの砂漠を横断してリヤドへ向かい、そこから定期便に搭乗して帰国したという。
サウジ経由での出国も
中東各国の対応には差がある。カタールは2月28日から空域を閉鎖しており、同国航空会社は現在も運航を一時停止している。カタール航空は、民間航空当局が安全を確認し空域が再開され次第、段階的に運航を再開する方針としている。
また報道によると、イスラエルは8日に空域を再開し、出国便の運航を認める準備を進めているが、具体的な措置は安全状況を見極めて決定される見通しだ。
一方、サウジアラビアは空域を閉鎖しておらず、サウジア航空も運航を継続している。このため中国の航空会社も、中東路線の再開先としてサウジアラビアを優先している。
現地関係者によると、UAEやカタールで足止めされた旅行者の中には、車でサウジアラビアまで移動して出国するケースも増えている。カタールからリヤドまでは車で約5時間、ドバイからリヤドまでは約10時間かかる。
航空データ会社の統計によると、3月5日時点で中国―UAE路線の運航回復率は13.5%にとどまり、サウジアラビア路線は42.9%となっている。
中東への直行便が依然として制限される中、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシア、インド、フィリピンなど、東南アジアや南アジアを経由する乗り継ぎルートも代替手段として検討されている。
(中国経済新聞)
