元武田中国総裁の単国洪氏、百済神州大中華区総経理に就任へ

2025/07/2 13:30

百済神州(BeiGene)は、元武田製薬中国総裁の単国洪氏(Shan Guo Hong)が、8月18日より大中華区(中国本土・香港・マカオ)および中亜・南亜地域の総経理に就任することを発表した。単氏は、同社社長兼COOである呉暁濱(Wu Xiao Bin)氏に直属で報告する。

百済神州は、がんを中心とした革新的な治療薬の研究・開発・製造・販売を手がけるグローバルなバイオ医薬品企業である。2010年に北京で創業し、米国にも拠点を持つ。PD‑1抗体「Tislelizumab」やBTK阻害薬「Brukinsa」などを開発し、世界70カ国以上で事業を展開している。研究から商業化まで自社で行う体制が特徴で、低コスト・高速開発を強みに成長を続けている。

単氏は2017年から2025年までの約8年間、武田中国のトップとして戦略を主導。希少疾病や腫瘍領域を中心に、革新的新薬の導入、現地研究開発拠点の整備、「武聚未来」や「拓維中国」戦略を推進し、中国市場における武田の存在感を飛躍的に高めた。中国事業は現在、武田にとって米国、日本に次ぐ第3の収益拠点となっている。

百済神州にとって中国は最大市場であり、中亜・南亜も急成長中の注力地域である。今回の人事は、アジア全域における事業強化と持続可能な成長体制の構築を意図したものである。

単氏は国際製薬企業における豊富なマネジメント経験を有し、現地市場の政策や医療制度にも精通。中国および周辺国における新薬のアクセス改善、オペレーションの統合、人材育成、各国規制への適応を通じて、百済神州のグローバル成長に貢献することが期待される。

市場の反応も早く、百済神州A株は7月1日、終値242.16元で前日比+3.65%と上昇。市場関係者の間では、単氏の加入が経営基盤の強化につながるとの見方が広がっている。

百済神州は今後も、「患者中心」「イノベーション推進」の理念を軸に、アジア各国におけるがん領域および自己免疫疾患領域でのプレゼンス拡大を目指す構えである。

(中国経済新聞)