自動車メーカー・BYDの王伝福会長は3月29日、業績発表会の後に行われた投資家との会合で、2023年の中国の新エネ車マーケットシェア、価格競争が展開される中での対応策、中国自動車ブランドにおける輸出先の選び方、東南アジアなどの新エネ車の見通しについて、幹部陣とともに見解を発表した。
王会長は、「中国自動車ブランドは今、好材料が3つある」と述べた。一つ目は新エネ車普及率の急速な上昇で、2023年には40%~45%となり、販売台数も850万台~900万台に達するという。二つ目は高級車市場が変化してシェアが15%~20%となったことで、BYDの「デンザ」、「仰望」、そして発表間近の個性的ブランドはいずれも35万元(676万円)以上、「デンザ」は年末には月間販売台数が2万台に達すると見ている。三つ目は輸出で、タイでの事業の展開状況を念頭に王会長は、「中国の新エネ車は、順調であれば携帯電話と同様に東南アジアで販売チャネルが急速に拡大する」と見ている。
今年1月6日のテスラを発端とした値下げの波が、新エネ車から乗用車全体に及んでおり、相次ぐ値引きの中で購入者は模様眺めの姿勢を一段と濃くしている。各社ともダイレクトな値下げや新車の価格体系の見直しといった策を講じて、価格競争が激しくなっている。
これについて王会長は、10万-20万元(約193万円~386万円)の車種については主導権を持つが少し落ち着いて欲しいと言い、「誰もがつらくなり活路を失うようではダメ」と述べた。競争を前にBYDは、「スピード、技術、戦略」といった策を講じるという。
(中国経済新聞)