河南省の「ダイヤモンドの都」、注文が急増 値段は天然品の35%

2023/03/10 18:36

「6面高圧プレス1台で、たった1週間で1カラット以上のダイヤモンドが完成」。このように自然の環境に似せた形で作られたダイヤモンドを合成ダイヤモンド、または人工ダイヤモンドと呼び、肉眼では天然のものとほとんど区別がつかない。

合成ダイヤモンドの工場が多数立地し「ダイヤモンドの都」と言われる河南省商丘市柘城は、ダイヤモンドパウダーの年間生産量が60億カラット、単結晶ダイヤモンドが15億カラット、合成ダイヤモンド(ラボグロウダイヤモンド)が400万カラットと伝えられる。パウダーについては生産量が中国全体の70%、輸出量は同じく50%を占めている。

現地でダイヤモンド製造に従事する王振さん(仮名)は、2022年の国内販売量は少なくとも前年度の「2倍増」になると述べた。「中国では国慶節の大型連休が販売のピークとなりそうだ。最近は各店で結晶品を仕入れており、ここ2日間で1カラット品を100個さばいた」とのことである。

純度について、関係者の話では、粗品および結晶のグレードとしてVS1品、VVS2品、VVS1品に分けられ、1カラットの値段は順に7500元(14.7万円)、8000元(約15.7万円)、8500元(16.6万円)という。一方で、同じ色やカットの天然ものでは、「VS1なら卸売りで最低1カラット2.5万~3万元(48.9万~58.7万円)」という。すなわち、人工品の取引額は天然品の3分の1程度で済むことになる。

合成ダイヤモンドは、以前は宝石の中でも格下の存在とされ、「永遠のダイヤモンド、代々伝わっていく」との言葉は高価な天然ものを示していた。しかし今は、実験室や工場で人の手により作られた合成品がひそやかにビジネスの姿を変えつつある。

(中国経済新聞)