中国農村部の銀行1651社が財政危機の可能性

2022/06/22 14:15

河南省農村地域の銀行での「引き出し不能」問題がくすぶり続ける中、事業規模は小さいものの数が非常に多い農村銀行全体に改めて目が向けられている。中国銀行保険監督委員会によると、2021年末現在におけるこれら農村部の銀行の数は、中国の金融機関全体の36%前後を占める1651社となっている。

これら1600社以上の銀行は、中国の31の省・自治区・直轄市に存在しており、地域別では山東省が126社、河北省が110社といずれも100社を超え、次いで河南省が86社、貴州省が84社となっている。

2006年に初めて創設されてから16年を数えるこれら農村部の銀行は、立地が便利であること、また利息が高いことから、このところ預金プランの利用者が増えている。ただし、オンラインアプリのプランの廃止や定期預金の事前引き出しサービスの中止、さらには預金規模の低減などといった規制策に押され、現場店舗の少なさや資金源の乏しさ、力の弱さなどが露呈し、むやみに預金者を集める動きが強まっている。

また一方で、今の時勢を受け一部の銀行でリスクが急速に高まっている。中央銀行によると、2021年第二四半期の段階で、ハイリスクと見なされている機関のうち農村銀行が29%前後にあたる122社となっている。また農村銀行は、都市銀行や農業・商業銀行などに比べて不良債権率が高く、「2021年度農村銀行調査報告」によると、2020年の不良債権率は国有の大手銀行が1%であるのに対し、農村部の銀行は4%となっている。

(中国経済新聞)