中国、低空経済分野の国際標準化を加速 ドローンの安全性向上と海外展開を後押し

2026/10/12 12:00

中国が、低空経済分野における国際標準化の取り組みを加速させている。中国国家市場監督管理総局によると、中国はこのほど、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)における低空経済関連の標準化活動に積極的に参画し、国際規格の策定や新規提案、発行を推進した。

中国が共同で主導して策定した「無人航空機のセンシング・障害物回避システム」は、関連分野における国際標準の空白を埋めた。また、中国が主導して提案した「カードおよび個人識別用セキュリティデバイス―無人航空機システム(UAS)のライセンスおよびドローン/UASセキュリティモジュール―第5部:ドローン/UASセキュリティモジュールの試験方法」も、国際標準化の新規プロジェクトとして採択された。

低空経済は、中国の戦略的新興産業を支える重要な成長分野の一つだ。ドローンをはじめとする無人航空機は、娯楽用途にとどまらず、物流配送や都市管理など、さまざまな分野で活用が広がっている。

こうしたなか、技術仕様や安全要件に関する国際標準を整備し、各国・地域のルールの整合性を高めることが、産業の健全な発展に向けた重要な課題となっている。国際標準によって技術的な共通基盤を構築することは、ドローンの安全な運用を促進するだけでなく、国境を越えた事業展開や海外市場への参入に伴う障壁の低減にもつながる。

中国が共同で主導した「無人航空機のセンシング・障害物回避システム」は、都市部の複雑な環境での利用を想定した規格だ。航空機やその他の物体を検知し、障害物を回避するシステムについて、基本機能やシステム構成、性能、安全・品質要件などを定めている。

具体的には、検知距離や安全間隔距離などの技術的なパラメーターを明確にするとともに、着陸時の障害物検知や緊急時の回避方法についても詳細な要件を規定している。

高層ビルが密集する地域や人通りの多い場所、電磁環境が複雑な地域などでは、ドローンの安全な運航に高度な技術が求められる。同規格は、こうした環境下でドローンを安全に運用するための共通の技術的枠組みを提供し、事故リスクの低減に寄与すると期待される。

また、国際的に共通の技術基準が整備されれば、ドローン関連製品やサービスの海外展開が円滑になり、市場参入の障壁も低くなる。中国にとっては、国際ルールの策定における発言力を高めるうえでも重要な成果となる。

中国が主導して提案したもう一つの規格案は、無人航空機システム(UAS)のライセンスやセキュリティモジュールに関する試験方法を定めるものだ。ドローンやUASの安全モジュールについて、統一的な試験方法を規定する。

この規格案は、無人航空機の識別・認証分野における国際標準の提案として、初めて新規プロジェクトに採択された。

安全モジュールの試験基準が統一されれば、ドローンの識別や追跡、監督を支える技術基盤の整備が進むと期待される。機体や運航に関する情報を適切に識別・管理できるようにすることで、ドローンの安全で秩序ある運用を促進するとともに、国境を越えた利用を支えることにもつながる。

中国国家市場監督管理総局などの関係部門は今後、ドローンをはじめとする重点分野で、中国国内の先進技術や実用的な運用ノウハウを国際標準に反映させる取り組みを継続する方針だ。国内標準と国際標準の整合性を高め、国際標準を通じて産業の質の高い発展を支えるとともに、中国の低空経済の国際市場への展開を後押しする。

低空経済の発展に伴い、ドローンの安全性や識別・認証に関する共通ルールの重要性は、今後さらに高まるとみられる。中国による今回の取り組みは、安全技術の普及と国際ルールの形成への関与を進め、低空経済関連産業の国際競争力を強化する動きとして注目される。

(中国経済新聞)