中国のアウトドアスポーツ市場が急速に拡大している。中国国家体育総局が17日に発表した「中国アウトドアスポーツ産業発展報告(2025~2026年)」によると、2025年末時点で国内のアウトドアスポーツ参加者数は5億人を超え、関連産業の総規模は約3兆1700億元(約74.9兆円)に達した。
中央財経大学スポーツ経済研究センターの王裕雄主任によると、アウトドアスポーツの参加者数は前年同期に公表された4億人から5億人超へと増加。短期間で参加者の裾野が大きく広がり、国民の間でアウトドアスポーツへの関心が高まっている。
参加者の年齢構成を見ると、中青年層が中心となっており、特に19~49歳が全体の約77%を占めた。このうち、30~39歳の割合が比較的高いという。こうした年齢層を中心とした参加の広がりは、アウトドア用品や関連サービス、レジャー施設などへの需要拡大につながっている。
分野別に見ると、ウインタースポーツや山岳アウトドア、水上スポーツなど、幅広い領域で市場が成長している。

2025~2026年の冬季シーズンには、全国の住民のうち3億800万人が氷雪スポーツに参加した。参加率は21.75%で、前年同期から1.14ポイント上昇した。氷雪スポーツの消費規模は約2050億元(約4兆8500億円)となり、前年同期比約9.3%増加した。山岳アウトドアスポーツ産業の規模も拡大を続け、2025年には5000億元(約11兆8200億円)に達した。
また、水上スポーツ市場でも新規参入が相次いでいる。2025年に新設された海上スポーツ関連企業は887社で、前年比12.14%増となった。

市場の拡大を支える基盤として、アウトドアスポーツ関連施設の整備も進んでいる。
国家体育総局体育科学研究所の中国体育経済研究センター主任、趙軼龍氏は、中国のアウトドアスポーツ産業は急速に発展しており、スポーツ産業の中でも特に力強い成長分野の一つになっていると説明した。
2025年末時点の全国の氷雪スポーツ施設数は2626カ所で、第13次五カ年計画(2016~2020年)末と比べて39%増加した。

健康づくりやレジャーに利用されるフィットネス遊歩道は全国で18万2000カ所に上り、総延長は43万300キロメートルとなった。施設数、総延長ともに第13次五カ年計画末からそれぞれ104%、106%増加している。
さらに、第14次五カ年計画(2021~2025年)の期間中には、全国で公共埠頭の係留バースが新たに2200カ所整備された。水上スポーツ施設は沿海地域への集積が進む一方、内陸部の河川や湖沼地域でも整備が加速している。
参加者数の増加に加え、関連施設の充実やスポーツ消費の拡大を背景に、中国のアウトドアスポーツ産業は成長を続けている。
参加者の中心となる中青年層の需要を取り込みながら、氷雪スポーツ、山岳アウトドア、水上スポーツなどの各分野で市場が広がっている。関連用品の製造・販売、レジャーサービス、施設運営など、周辺産業への波及も注目される。

産業規模が約74.9兆円、参加者数が5億人を超えるなか、今後は施設整備の継続に加え、多様化する消費者ニーズに対応したサービスの充実が、市場の持続的な発展に向けた焦点となりそうだ。
※日本円換算は1元=約23.63円で計算した概算。為替レートの変動により実際の換算額は変わる。
(中国経済新聞)
