中国自動車大手の北汽集団(BAICグループ)は、2026年9月の自動車販売台数が13万3,000台となり、前月比9.6%増加したと発表した。1~9月の累計販売台数は116万7,000台に達した。中国国内市場での基盤を維持するとともに、海外販売も拡大しており、独自ブランドの強化とグローバル展開を成長の柱に据えている。
9月の自主ブランド販売台数は約10万台で、前月比17.1%増となった。1~9月の累計販売台数は80万8,000台を超え、前年同期比11.7%増を記録した。グループ全体の販売台数に占める割合は約7割に上る。

ブランド別では、電気自動車(EV)ブランドの「ARCFOX(極狐)」が、アルファ、ベータ、問道の3シリーズを軸に商品ラインアップを拡充。高級車ブランドの「STELATO(享界)」は、高級セダン市場で存在感を高めている。また、オフロード車ブランドの「北京越野」は商品競争力と市場開拓力の強化を進め、販売拡大を図っている。
商用車部門の北汽福田(FOTON)は、国内商用車市場で首位を維持し、競争優位を固めた。一方、合弁事業では北京ベンツと北京現代が現地化を加速し、各ブランドの強みを生かした事業展開を進めている。
海外市場も好調に推移した。9月の海外販売台数は3万1,000台を超え、前年同月比19.4%増となった。1~9月の累計販売台数は27万4,000台を上回り、前年同期比27.2%増と、2桁成長を維持した。
乗用車分野では、北汽国際が「STELATO」「ARCFOX」「BAIC」の各ブランドを活用し、海外市場向けの差別化された商品展開を進めている。サウジアラビア、ペルー、ブラジル、パナマ、ニュージーランド、コロンビアなどで市場開拓を進めている。
同社は世界6カ所の技術センター、28カ所のKD(ノックダウン生産)工場、140カ国・地域以上をカバーする販売・サービス網を活用し、研究開発から生産、販売、アフターサービスまでを含めたグローバル事業基盤の構築を進めている。
商用車分野では、北汽福田が輸出構成の最適化に取り組み、電動車や高級大型トラックなど、付加価値の高い製品の比率を引き上げている。9月にドイツ・ハノーバーで開催された商用車関連の展示会も活用し、欧州市場の開拓を加速。製品、技術、エネルギー関連エコシステム、現地事業運営を一体化した輸出体制の構築を目指す。
北汽集団は2026年に入り、20車種を超える新型車を投入した。ARCFOXの「問道V9」、STELATOの「G9」、北京越野の「泰坦700」、北汽福田の「卡文」などを通じて、高付加価値商品のラインアップを充実させ、ブランド価値の向上を図っている。
技術開発では、人工知能(AI)を活用した「元境」技術を中核に、AIコックピット、運転支援システム、AIシャシーなどを組み合わせ、車内空間を「AIが駆動する第3の生活空間」として進化させる構想を掲げる。
自動運転分野では、ARCFOXの「アルファS(L3版)」が北京市内の複数の高速道路で大規模な公道走行試験を実施しており、累計走行距離は11万kmを超えた。実際の交通環境での検証を通じて、レベル3自動運転システムの安全性、安定性、信頼性の確認を進めている。
さらに、固体電池と液体電解質を組み合わせた固液混合電池の開発でも技術的な進展があったとしており、バッテリーの安全性向上を目指す。寧徳時代(CATL)、クアルコム、ボッシュ、中国長安汽車、人保財険、紫光集団などの企業・組織とも連携し、技術革新とサプライチェーンの協力体制を強化している。
北汽集団は、自動車業界が新エネルギー車(NEV)と知能化技術を中心とした変革期にあると指摘する。その中で、自主ブランドの成長、高級車分野の商品力強化、海外事業の拡大、先端技術への投資を通じて、事業構造の最適化とブランド価値の向上を進めてきた。
(中国経済新聞)
