中絶した妻が「出産権を侵害された」と夫に訴えられる

2023/02/14 15:47

四川省成都市高新区の裁判所で先ごろ、中絶をめぐる夫婦間のトラブルについて審理が行われた。

2021年9月、友人同士であった劉さんと趙さんは恋人同士になり、趙さんは2021年12月に妊娠したが、子宮筋腫にかかっていることが分かった。2人は入籍したが、2022年の春節(旧正月)の後で仲たがいにより別居した。2022年2月27日、趙さんは夫の劉さんに離婚と中絶を申し出て、同意を得ずに病院で中絶手術を受けた。趙さんはさらに高新裁判所で離婚を求めて訴訟を起こし、調停の末2人は協議離婚した。

ところが劉さんは2022年8月4日、趙さんが出産権を侵害して精神的苦痛を受けたとして、趙さんを相手取り慰謝料を求めて高新裁判所に訴えた。

裁判所での審理の結果、趙さんと劉さんは結婚後に仲が悪くなり、趙さんが離婚を申し出ている中で中絶したのは正当なものだと判断された。また、妊娠後に子宮筋腫を患ったことも中絶する理由となり得るもので、劉さんの主張する出産権の侵害には当たらず、劉さんが求めた慰謝料は事実や法的根拠が存在しないとして、訴えは退けられた。

(中国経済新聞)